無念の2部降格 近畿学生野球リーグ

近畿学生野球春季リーグ1部・2部入替戦2回戦、神戸大-阪大が5月27日、豊中ローズ球場で行われた。1回戦で完封負けを喫し後がない神戸大だったが、1-1の7回にスクイズで決勝点を奪われ、2-1で惜敗。連敗で37季ぶりの2部への降格が決まった。【5月28日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 ベンチに戻る途中で、多くの選手が泣き崩れた。最後の打者となった田中祐(経営・3年)、声をあげる柿本(工・4年)。坂根(法・4年)や大前(海事・3年)は立ち上がることができない。肩を落とす仲間に声をかけて回る選手もいた。?

 「悔しいというだけですね」。石浜主将(発達・4年)が絞り出すような声で話す。18年以上、1部の常連として君臨してきた神戸大。だが、同じ国立である阪大の勢いを前に、その伝統はもろくも崩れ去った。?

 今季を象徴するかのような試合だった。先発の白木原(発達・2年)が要所を締める投球で踏ん張るも、味方打線が援護できない。一死3塁で適時打が出なかったり、けん制死で好機を逃したりするなど、かみ合わない攻撃。0-1の7回にボークで1点を取るも、その裏、一死1、3塁から「打者をほめるしかない」(白木原)というセーフティスクイズを決められて万事休す。1点差をひっくり返す力も、勢いも、神戸大には残っていなかった。?

 苦難に苦難を重ねたシーズンだった。奈産大、阪南大、大教大だけでなく、実力伯仲の大市大、昇格1季目の大工大からも勝ち点を取れない。シーズン途中で「締まりがない。戦える態勢になっていない」と中村監督に指摘され、アップからも私語を禁止した。大工大、大市大との2回戦では、その成果がさっそく表れたかのように見えたが、時すでに遅し。序盤の遅れを取り戻すことはできなかった。「謙虚さが足りなかった」「自分たちを過信しすぎた」「(降格する可能性を)想像していなかったのが敗因」。主将は次々と反省の言葉を口にした。?

 20年前の2部降格も経験している中村監督は今のチームと当時のチームを「同じよう」だと評する。そのときは、2部での1シーズン目、初戦でコールド負けを喫し、4位に終わったという。同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。「なんとしても1部に復帰する」(中村監督)、「今日から秋に向けてやっていく」(石浜)。厳しい試練の先に待っているのは、歓喜か、それとも暗黒時代か。悲壮な覚悟を胸に、茨の道へ突き進む。

●近畿学生野球春季リーグ1部・2部入替戦2回戦(5月27日・豊中ローズ球場)
神戸大 000 000 100=1
阪 大 100 000 10X=2

【神戸大】●白木原-田中祐
【阪 大】藤野、○佐野-松尾

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