神戸市灘区の都賀川で児童ら5人の犠牲者を出した水難事故から2年が経った。灘チャレンジ実行委員は7月28日、事故に関するパネル展示や追悼式を行った。追悼式では、6月6日に開催された「灘チャレンジ2010」で集まった折り鶴とともに犠牲者に黙とうをささげた。【7月31日 神戸大NEWSNET=UNN】?
○折り鶴に祈り込めて 犠牲者に黙とう捧げる
灘チャレンジ実行委員らが追悼式を行うのは今年が初めて。都賀川公園に献花台を設け折り鶴と花を供え、犠牲者を追悼した。 「水難事故を知らない部員も増えてきている。何も知らないで地域の人と接するより、区切りのときだけでも意識してほしい」とメンバーの山本真由美さん(文・3年)。 事故当時、「テレビで見て『灘チャレンジの会場だ!』とびっくりした」という。
「灘チャレンジ」は阪神淡路大震災の復興祭として始まり、現在も毎年都賀川公園で開催されている。 実行委員らにとってもなじみの深い場で起こった水難事故だった。事故を受けて、灘チャレンジでは翌年からパネル展示などを企画してきた。 先月開催された「灘チャレンジ2010」では、その場で来場者に鶴を折ってもらう場を設置した。「(折り鶴を)折ってる間だけでも事故のことを思い出してほしかった」という 実行委員長の藤井伸弥さん(経済・3年)。約150個の折り鶴が集まった。中には一人で10個の鶴を折った人もいたという。
「(祭りの)当日だけが灘チャレンジではない。関わったものが繋がれていくもの」と藤井さんは話した。 集まった折り鶴は、灘チャレンジ実行委員のメンバーらによって須佐男神社に奉納される。(記者=岩本真侑)?
○「事故をわすれないで」 事故関連のパネル展示
灘チャレンジ実行委員が作成した都賀川水難事故についてのパネルが、「犠牲者を偲(しの)ぶ会」(以下、「偲ぶ会」)の会場で展示された。パネルは去年の「偲ぶ会」、今年6月6日に開催された灘チャレンジでも展示されたが、<7月28日を『子どもの命を守る日』に>実行委員会からの依頼で今年も展示されることになったという。?
展示されたパネルは9枚。「都賀川水難事故を忘れない」をテーマに、「7月28日、そのとき何が」と題して都賀川水難事故の概要をまとめたものや、都賀川水難事故調査団団長であり神戸大大学院工学研究科の藤田一郎教授へのインタビューなどをパネルにしている。<7月28日を『子どもの命を守る日』に>実行委員会と座談会し、その内容を記事にした灘チャレンジ実行委員会の山本真由美さん(文・3年)は「2年たった、という人もいるが遺族の人にとっては2年しかたっていない。頭ではわかっていても座談会で改めて遺族の人に言われると考えさせられた」と話した。「事故に興味をもって来る人が多いので、パネルを見る人も多い。これからも(事故を)忘れないでほしい」(山本さん)と、パネルに込めた思いを話した。
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