関西フットサルリーグ第11節、神戸大-funf beinが12月5日、加古川市立総合体育館(兵庫県)で行われた。残留へ向け負けられない神戸大は、1点を追う後半、A井上(法・3年)とB松本(経営・3年)がゴールを決め、2-1の逆転勝利。前節まで4位につけていた強豪から大金星を挙げ、第5節以来4ヵ月ぶりの勝ち点3を獲得した。順位は11位のまま。【12月8日 神戸大NEWS NET=UNN】?
長く、暗いトンネルに光明が差した。後半18分、左サイドのA落(工・4年)が中央に折り返したボールを、松本が豪快にネットに突き刺し、逆転。残り2分間を全員の力で守り抜き、4ヵ月間ためこんだ気持ちを爆発させた。?
「とてつもなく大きい勝利。より一層チームの結束が強まる勝ちだった」。殊勲の決勝点を挙げた松本は喜びを隠さなかった。?
前半で手ごたえをつかんだ。失点は、3分に不運な形で喫した1点のみ。1対1では不用意に飛びこまず、カバーリングを徹底することで決定機を作らせない。狙い通りの守備ができたことで、選手の間に自信が生まれた。「切りかえが速くて、よく走れてた。自分たちのフットサルができた」。同点弾でチームに勢いを与えた井上は胸を張る。?
2ヵ月の中断期間中にチームは大きく成長した。試合途中から出場するセカンドセットの連携を深めるため、メンバーを固定してパス回しや守備の意識を統一。出ずっぱりだったA伏見(理・3年)や松本の負担を減らした。?
主力選手が外部チームの練習に参加したことも好影響をもたらした。特に、A満田(法・3年)と伏見が、それぞれFリーグのシュライカー大阪、デウソン神戸の練習で得た知識をチームに還元。今まで自分たちで研究するしかなかった戦術にプロのエッセンスが加わったことで、攻撃でも守備でも幅が広がった。?
連敗を4で止め、復調の兆しが見え始めた神戸大。だが、相変わらず順位は降格圏の11位。追い込まれた状況は変わらない。神戸大フォルサ時代の2004年に昇格してから、降格はいまだに一度も味わっていない。「毎年ギリギリで残留してきたから、今年もほんま残らんと。次は勝つしかない」。数少ない4年生である落は気を引き締める。トンネルの出口をくぐるまでは、歩みを止めることはできない。?
○初ゴール井上 ひたむきさ実を結ぶ
初得点は、真骨頂ともいえる形だった。後半10分、カウンターから伏見が粘って出したパスに、体を投げ出すように飛びこんだ。「運よくゴレイロの脇を抜けてくれた。チャンスがあったら、とは思っていたけど、まさか自分が取るとは」。照れくさそうにはにかんだ。?
戦力的にも精神的にも主柱のA上原主将(工・4年)が、風邪のために欠場。思わぬ形で巡ってきたチャンスだった。「上原さんを変に意識しすぎると、難しいことをやりすぎる。自分には走ることしかできないから」。守備面では個人の技術で分が悪い相手に対し、飛びこまずに粘り強く食らいついた。ボールを奪えばピッチの誰よりも走った。同点弾の場面でも、カウンターに転じた瞬間に相手ゴールを目指して全力で駆け上がった。?
開幕当初はサテライト(2軍)だった。同じ3年生の伏見や松本、満田らが主力として活躍する姿を、スタンドで見守った。「悔しかったけど、その悔しさを忘れたら負け。自分は下手だし、意固地にならず、学ぶところはどんどん学ぼうとした」。後輩からの指摘も素直に受け入れ、成長の糧にした。技術不足を補うため、練習では手を抜かずに走り続けた。?
夏休み前にトップチームに昇格してからも、真摯な姿勢は変わらなかった。1年生のときから通っている兵庫県フットサル連盟主催の練習会にも参加し続けた。「自分にできることは何かと言ったら、基礎練習を大事にすること。とにかく常にボールを蹴ろうと思った」。funf bein戦前の2ヵ月の中断期間も「オレにとっては大きかった」と振り返る。?
チームはまだまだ予断を許さない状況にある。「可能性はいつでもある。体調管理しっかりして、1回1回の練習から気合入れてやっていく」。残留のためには、背番号5の雑草魂が欠かせない。
●関西フットサルリーグ第11節(12月5日・加古川市立総合体育館)
神戸大 2 0-1 1 funf bein
2-0
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