3月9日の合格発表を取材したとき、私は笑顔でない受験生が目に付いた。会場は違えど、どうしても1年前の自分と重なった。【4月6日 神戸大NEWS NET=UNN】
私は浪人して、2度同じ大学に落ち、後期試験で神戸大に合格した。正直、あまり喜べなかった。2年思い続けた大学に振られ、自分よりも入学したかった人が多くいたであろう神戸大に合格した不条理。「人生こういうものか」と思った。
W杯パラグアイ戦でPKを外した駒野選手ではないが、絶対に負けたくないときでも、あっけなく負けてしまうこともある。奇跡は大抵起こらない。「そういうもの」なのかもしれない。
1年、今の私はどうなっているか。神戸大で心底楽しく大学生活を送っている。授業は意外に楽しいし、ニュースネットでも、取材に飲み会と本当に充実している。
自分の敗北を正当化したいわけではない。しかし、今の私は神戸大を愛している。運命はいつまでも先は読めないし、人間は運命の荒波を楽しむ力を持っているのだと思う。
合格者に「おめでとう」を言う前に、沈んだ顔で合格発表を去った受験生に向けて、どうしてもエールを送りたくなった。
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