表現力をいかす演出に はちの巣座新歓公演

はちの巣座の新歓公演「ワタシ末試験」(脚本・泉寛介(baghdad cafe)、演出・岩井悠人)が、13日から16日にかけて、国文キャンパスのシアター300で行われた。今回の公演では、普段のはちの巣座ではみられなかった演出が見受けられた。14日には、会場に約130人もの観客が訪れ、多くの新入生が演劇の世界に浸った。【4月19日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 自分の名前にコンプレックスを持つ‘イマ イチコ’は、普通の女子高生。毎日の平凡な生活に物足りなさを感じていた。そんなある帰り道、時空を超えることができる男と出会う。未来を知る男の忠告をきかなかったイチコは、自分のせいで、密かに想いを寄せていた物理の先生が、自殺しようとした人を庇って電車に轢かれてしまうことを知ってしまう。先生に自分の気持ちを伝えるため、イチコは時空を飛び越えてその事実を無くそうとするのだが・・・。果たして彼女は未来を変えることができるのか。?

 普段、丁寧な会話劇を主体とし、それを引き立てる照明や音楽を取り入れるはちの巣座。しかし本公演では、それに加えて状況の変化や効果音として演出を利用するといった違いが見られた。演出の岩井悠人さん(経済・3年)は、本公演に関し「人間の表現力を試したかった」と話す。舞台に置かれた瓶ビールのカゴは、状況に応じて椅子にも棚にも変化する。それを補完する形で演出も工夫がされた。?

 また、舞台の盛り上がりは観客の反応が重要な役割を果たすことがある。公演中は、役者の大胆なフリに会場から笑いが飛び出すこともあった。岩井さんは、その中でも「人数の多さに関わらず、照明が落ちるとすっと静かになる瞬間が印象的だった」と振り返った。?

 岩井さんは、「大学生になったらこれまで以上に多くの人と出会う。もし、自分と合わない人だったとしても少し考えるだけで分かりあえることもある。そうやって人との繋がりをたくさん知ってほしい」と新入生にメッセージを寄せた。

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