神戸大生が地域住民らと作る祭り「灘チャレンジ2011」が、6月5日、都賀川公園(神戸市灘区)で開催された。模擬店が軒を連ねたほか、ステージでは風刺劇やショーが披露され、地域住民らでにぎわった。【6月13日 神戸大NEWS NET=UNN】
阪神・淡路大震災の復興祭として始まった灘チャレンジ。今年のテーマは「No Border~となりの人ってどんな人?~」。自分とは関係のないと決めつけた人との間に引かれた“線”を取り除くことを目指した。
灘チャレンジは、障碍者や外国人も楽しめるように準備されている。ステージの司会者は、ゆっくり・はっきり・大きく話すよう心掛けていた。また、会場内では筆談や手話での対応もなされ、ピクトグラムでの案内表示も用いられた。
会場では、学生や地域団体による模擬店が出店された。保護者が見まもる中、小学生が販売をする模擬店も。保護者の一人は「同級生もたくさんお店に来てくれる。子どもたち同士が集まって楽しむのが、出店をする一番の目的」と話した。
会場内のステージでは、在日コリアンに関する風刺劇や神戸大生の団体による手話歌、ちんどんショーが披露された。
風刺劇を演じたのは灘チャレンジ実行委員会の有志メンバー。日本人と在日コリアンの大学生が、在日コリアンについての考えを深めていく内容で、「在日コリアンがありのままの自分を出せるとはどういうことなのか」ということを現代の若者の視点から描いた。
風刺劇を観賞した地元の女性(64)は「(灘チャレンジには)毎年来ています。劇ではセリフをゆっくり言っていたのがよかった。若い学生さんが活動しているのを見るのはうれしい」と話した。
実行委員会委員長の堤翔太郎さん(発達・3年)は「老若男女、障碍者、外国人のみんなが灘チャレンジを楽しめるよう工夫した」と話した。また、神戸大生に向けて「(灘チャレンジに)とりあえず来てほしい。模擬店での買い物でも、普段あまり接点のない障碍者、外国人の方も出店しているので交流ができる」と呼びかけた。
○東日本大震災の救援活動の展示も
灘区民ホールでは、神戸大生の参加した東日本大震災の救援活動についての報告とその時の写真のほか、阪神・淡路大震災の救援活動の写真が展示された。東日本大震災では神戸大生は被災者への足湯や泥だし、家屋整理を行った。?
救援活動に参加した光来出遼人さん(経済・2年)は、「実際に被災地を訪れると、自分の周り全体が被災していて悲惨さを痛感した。今回の展示や報告を通じて、他の人、特に震災の被害に関心はあるが現地に赴くことはできないという人に震災の悲惨さを伝え共有し、多くの人に繋げていきたい」と語った。
編注:ピクトグラム……信号機などに見られる絵を使った図表。?
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。