臨場感あふれる演技 はちの巣座27期生卒業公演

演劇研究会はちの巣座の27期生卒業公演「僕たちの好きだった革命」(作・鴻上尚史、演出・クサカンムリ)が、1日から5日にかけてシアター300で上演された。4日13時からの公演には、学生を中心に多くの観客が来場し、シアターは満員となった。【12月5日 神戸大NEWS NET=UNN】

「あの頃」の革命を再び。脚本は冷めた日常を刺激する感動もの。1999年、主人公の日比野と未来(ミク)の通う拓明高校に、山崎という中年男性が復学した。彼は1969年の学生闘争で機動隊と衝突。ガス弾を受け意識不明に陥り、30年を経て目覚めたのだ。しかし、彼の「今度こそ恥じない演説をする」という意志とは裏腹に、母校は様変わりしていた。生徒に主義はなく、教師も形だけの生徒指導を繰り返す。愕然とする山崎だったが、時を同じくして、学校当局が文化祭での歌手のライブ企画を廃案にしてしまう。山崎に引っ張られるように、日比野たちは学生主体の文化祭を手にしようと立ち上がる。

今回の演出を担当した中辻英恵さん(文・4年)は「今日は多くのお客さんが芝居にノッてくれたのがよかった」と満足そうに話した。学生闘争の場面や教師ともみ合いになる場面など、役者の動きが激しく、本番直前のリハーサルまでトラブル続きで苦労したという。また、今回はホール右部分を拡大し、舞台として利用する斬新な配置も披露した。5日の千秋楽に向け、「役者の細かい部分を修正して、いい卒業公演にしたい」と話した。

公演を見ていた観客の1人は「やっぱり上級生の演技はうまかった。舞台の照明やスモークなどの効果も多彩でよかった」と、卒業生の最後の公演をたたえた。

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