第三十九回邦楽部定期演奏会が12月10日、出光佐造記念六甲台講堂で行われた。厳かな雰囲気の中全10曲が演奏され、観客は和の世界に浸っていた。【12月20日　神戸大NEWSNET＝ＵＮＮ】

邦楽部定期演奏会は創部後数年してから始まり、今では邦楽部の1年を通して最も重要な行事となった演奏会である。部員のほかに有志のOBとOGも参加し、夏合宿など約半年間の努力の成果を披露した。

今回は全10曲が演奏され、いずれの曲でも演奏後には大きな拍手が起こっていた。特に9曲目に披露された「若人の歓び」は、演奏する12人全員が一斉に尺八を吹く曲で、人数の多さも相まって非常に重厚な演奏が繰り広げられた。また演奏以外にも工夫が見られた。6曲目に披露された、ギリシャ神話をモチーフとした「ケンタウロスの父」では、演奏者がハープを弾く女性の衣装を着て月桂冠を頭に着けながら演奏し、視覚でも曲の世界を表現していた。

部長の宮内絵里さん（文・3年）は多くの1年生が入部したことに触れ、「人数が多く、全員に目を届かせることに苦労した。まずは意識を向けてもらうように努力した」と、演奏会の苦労を語った。練習ではなかなかうまくいかないこともあったと言うが、「本番はテンポが速くなることも大きなミスをすることもなく、きちんと演奏できていた。みんな楽しめていたと思う」と満足そうに話した。

今回の演奏会を見に来ていたOGの1人は、「一生懸命さが伝わってくる演奏で、とても感動した。大学生の時にしかできないことで良いと思った」と話した。