「異文化交流」通じて分かり合おう 発達障害テーマの講演会

学生震災救援隊が、講演会「普通ってなんだろう?~凸凹な能力を最大限に生かすために~」を25日、国際文化学部B102教室で開催した。自らも発達障害を持ちながら、発達障害の人を積極的に支援している広野ゆいさんが講師として招かれ、発達障害の誤解されやすい事実や、当事者同士で集まることの重要性についての話が行われた。訪れた30人ほどの参加者は、赤裸々に語る広野さんの話に真剣に耳を傾けていた。【4月28日 神戸大NEWSNET=UNN】

広野さんは学生時代に人間関係などの理由でひきこもりになった。その後ADHD(注意欠陥多動性障害)という発達障害と診断され、次第に立ち直ってきたという。小さなころから「やる気がない」「怠けている」などと周囲から誤解され続けてきた広野さんは、10年ほど前に同じような障害を持つ人々と交流し始めた。交流を通じて「普通の人にとって『当たり前のこと』ができなくて、困っているのは自分だけではない」と感じるようになっただけでなく、自分自身を客観視できるようになったそうだ。

「発達障害の人は社会で普通にできることとできないことがある。そのため発達障害でない人との境界線が引きづらい。発達障害かどうかを決めるのは周りの社会」と主張する広野さん。「『当たり前のこと』ができない発達障害の人とそうでない人との交流は、異文化交流に近い。お互いが理解しあうことが、生きづらさを解消するための一歩」と締めくくった。

この講演会は、新入生らに様々な社会問題について知ってもらうため、救援隊が毎年開いているもの。企画の中心となった関本龍志さん(法・2年)は、「発達障害はグレーゾーンが広く、誰もが当事者となりうる問題。凸凹な個性を持った人が支障なく生きていけるような社会をどのように作ればいいのか考えるきっかけになれば」と話した。

「今まで何となく敬遠してきた発達障害の問題について、新しい見方を持ちたくて参加した」という西本光希さん(農・2年)は、「自分にとって『当たり前のこと』をできない人がいることを再確認し、先入観の恐ろしさを感じた」と感想を語った。

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