【コラム】書を捨てよ、町へ出よう 新入生コラム

入学して数か月が経ち、一年生全体に漂っていたふわふわした空気も落ち着いたものへと変わってきた。「新入生」から「一年生」になったのだ。教室移動にはもう迷わない。2限目が終わってから食堂に行っても席が無いことも知っている。「レポート」「自主休講」などと、高校時代には聞かれることの無かった言葉も耳にするようになった。大学生という身分にも慣れた、いつも通りの朝に友人が漏らした。「目標が見つからんねん」。【6月1日 神戸大NEWS NET=UNN】

わからない話では無い。私自身も半年前は、合格という目標へ向かって猛勉強の日々だったのだ。急に現れた膨大な自由を持て余す毎日に、後ろめたさを感じることもある。この喪失感から抜け出すには、新しい目標を見つけるしかないだろう。

一般に言われるところでは、学生の本分は勉学であり、大学は学問の場だそうである。しかし教室で聞く講義から得られるのは「秀を取る」「単位を落とさない」程度の、こじんまりした目標のような気がする。「教養主義は、メガネと運動不足しかもたらさないからおまえは自分で、思想を生成するために市街にかかわってゆかねばならない」と寺山修司は言う。だから私は受け身の学びを捨て、もっと外に学びを求めたい。テストのための勉強ほどつまらないものは無いのだ。

もちろん大学での学びが不必要ということではない。間違いなく大学は最高教育機関であり、私たちはここへ学問をするために、望んで入ってきた。しかし、大学での学びだけでは駄目だとは誰もが感じていることだろう。「大学生は人生の夏休み」と言われるが、夏休みは終わってみると意外と短いものである。目標は道端に落ちているかもしれない。「夏休み」の最後でやり残したことに泣かないためにも、「書を捨てよ、町へ出よう」。

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