神戸大学東北ボランティアバスの第10次派遣が、9月5日から12日にかけてあった。50人を超える参加者が陸前高田市や大槌町など岩手県沿岸部を訪れ、仮設住宅への訪問や草刈りなどの活動をした。当委員会記者が同乗し、ボランティア活動の傍ら、東日本大震災から1年半たった被災地を取材した。【9月28日 神戸大 NEWSNET=UNN】
山と山の間に広がる、一面の草原。がれきの片付いた集落は一見、昔からずっと草原であったような印象を受ける。所々残る住宅の基礎、焼け焦げた庭木、壊れたままの堤防やぽつんと残る橋げたが、かつてここが集落だったことをうかがわせる。
山田町の仮設住宅で出会った子どもたち。自分たちの手で作ったみこしや「仮設神社」と書かれたのぼりを担いで、仮設住宅の建つ小学校の校庭を走り回っていた。そのうちの一人は、我々の前で獅子舞を披露した。「津波の影響で集落の祭りが廃止され、発表の機会がなくなった」と周りの大人たちは話す。学生と一緒に鬼ごっこをするなど元気そうに見えた子どもたちだったが、時折寂しげな表情を見せていた。
阪神・淡路大震災発生から17年経った神戸の現状を話したところ「ここもどんどん忘れられて行くのかなあ」とこぼした男性がいた。テレビのニュースなどで取り上げられる回数も減り、「忘れられる寂しさ」を口にする人は他にも多かった。ニュースの減った今こそ、被災地の現状を伝えていかなければならないと痛感した1週間だった。
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