災害から学ぶべきことを 震災復興支援シンポジウム

「震災復興支援・災害科学研究推進室シンポジウム『神戸から東北へ~いま伝えたいこと、そして学ぶこと~』」が11月3日、神戸大統合研究拠点コンベンションホール(神戸市中央区)にて開かれた。東北大の教授も訪れ、教授、センター長などによる防災、減災、復興対策等についての講演とパネルディスカッションが行われた。観客には一般の人も訪れ、予定の時間をオーバーするほどの熱のこもった講演に、観客は熱心に耳を傾けていた。【11月8日 神戸大NEWS NET=UNN】

神戸大と東北大。その共通点はともに大震災を経験したこと。その両大学が共催して、今回のシンポジウムが開催された。神戸大震災復興支援・災害科学研究推進室室長の横野浩一さんを総合司会に、都市安全研究センター、センター長の飯塚敦さんなど5人が講演。東北大からは災害科学国際研究所、所長の平川新さんをはじめ、3人が講演を行った。

その中で、ボランティア支援室の藤室玲治さんと東北大法学研究科の米村滋人准教授は「東日本大震災被災地での学生ボランティア活動 東北大と神戸大の連携」という題で講演。それぞれボランティアの活動内容や東日本大震災の際の対応などを、パワーポイントを用いて説明した。結びには、両者とも学生ボランティア支援の意義について話をした。「人間性豊かな指導的人材」の育成などが意義としてあげられ、大学のボランティア支援の重要性を強調していた。

その後、休憩をはさみ、パネルディスカッションが行われた。支援活動の中から、得られた教訓・課題や、今そしてこれから何ができるのか、について教授たちが自身の考えを語っていった。その中で大学の役割とはなんなのか、といった話がでる。他の自治体同士が横のつながりを持つことが難しいことなどから、大学がその橋渡し役になるといった意見や、それに加えて大学同士の連携も強めていくべきだ、といった意見が述べられた。

このシンポジウムには一般の人も参加しており、パネルディスカッションの間には聴衆に意見を尋ねる時間もあった。「いずれ東海大地震はあるだろうが、私の実家もそれによって倒壊の危機にある。耐震リフォームをしようにもお金がない」などと、今後起こりうる大震災への不安が意見として出てきており、パネリストもそれに対して、頭を悩ませて、返答している様子が見受けられた。

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