今年に入り、特に首都圏の大学などの学祭では禁酒の動きが広がっている。その背景にあるのは、学生の飲酒による不祥事や事故だ。【11月12日 神戸大NEWS NET=UNN】
●六甲祭の黒歴史
今では当然のように酒の販売や持ち込みが禁止されている六甲祭も、その発端は酒によるトラブルだった。学生支援課の中満航一さんによると、2006年にその事件は発生。某団体の男子部員が泥酔し、嘔吐で大学施設を汚すなどした。救護室に運ばれたその学生は結果的に大事に至らなかったものの、事態を重く見た大学側は、翌年から六甲祭における飲酒を禁止した。「今年に入ってからも学生による酒のトラブルは起こっていて、他大学では公認団体が廃部に追い込まれる出来事もあった。出店者に向けた説明会でも厳重に注意しているし、それ以外の学生も酒を飲むことが絶対にないようにしてほしい」と力を込めて話した。
●一方厳夜祭では
対して酒の販売が許可され、それがウリの1つともなっているのが国文キャンパスで行われる厳夜祭。受付で身分証明書による年齢確認を受け、そこで成人だという認め印を押された来場者だけに酒を振る舞うという厳重な対策をしている。
その中で日本酒をメインに出店する団体がある。日本酒サークル正宗会だ。代表の山口泰広さん(農学研究科・修士課程)は「学祭で禁酒しなくてはならない理由は、飲酒リテラシーに欠ける大学生が多くいるから」と嘆く。飲酒量と同じだけの水を配り、泥酔者を出さないよう工夫も行う予定だが、最終的に必要なのはやはり来場者のマナー。「酒の力を借りずとも楽しめるのが、聡明な大学生ならではの学祭ではないか」と、根本的な意識の改善を期待している。
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