【調査】意外と知らない 山中教授とiPS細胞

神戸大出身で、京都大iPS細胞研究所長を務める山中伸弥教授が、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞することに決まった。山中教授ゆかりの京大と神戸大の学生は、iPS細胞の研究と山中教授自身についてどれだけ知っているのだろうか。京都大学EXPRESS編集部と神戸大学ニュースネット委員会で、京大と神戸大に通う現役の学部生139人(文系72人、理系67人)を対象にクイズを出してみた。【11月19日 神戸大NEWS NET=UNN】

各問題とそれぞれの正解、正答率は以下の通り。私たちは最初に、今話題の人である山中教授自身に対する質問と、iPS細胞の研究に関する質問6問を作った。クイズを解いた学生は、皆口をそろえて「難しい」と言いながら問題と格闘していた。

●クイズの問題および正答率

1.山中伸弥教授の出身大学はどこでしょう?
a.京都大学 b.東京大学 c.神戸大学 d.大阪市立大学
正答率:78.4%(京大60.0%、神戸大91.5%)

2.山中伸弥教授が今年受賞するノーベル賞の部門は何でしょう?(記述式)
正答率:38.1%(内訳はグラフ参照)

3.iPS細胞の正式名称は何でしょう?
a.人工多能性幹細胞 b.胚性幹細胞 c.造血幹細胞 d.多剤耐性幹細胞
正答率:78.4%(文系79.2%、理系77.6%)

4.iPS細胞について、それぞれ正しいものを選んでください。

あ.a.iPS細胞が世界で初めて作成されたのはサルの細胞からである。
b.iPS細胞が山中教授によって最初に公表されたのは2006年である。
c.iPS細胞は血や皮膚などの体細胞に2~4つの遺伝子を組み合わせることで作成する。
正答率:49.6%(文系52.4%、理系47.8%)

い.a.iPS細胞から骨や神経、心臓、脳などの臓器が人工的に作成されている。
b.患者自身の細胞から作成したiPS細胞を移植した場合、拒絶反応は起きない。
c.iPS細胞から作られた細胞を利用して新薬の開発などが進むと期待されている。
正答率:41.7%(文系41.7%、理系41.8%)

う.a.iPS細胞は主に受精卵から得られるため、倫理的な課題が残る。
b.男性からの卵子、女性からの精子作成が可能になり、倫理的問題が生じる。
c.iPS細胞はがん遺伝子を導入して作られるが、がん化する心配はない。
正答率:56.7%(文系41.7%、理系73.1%)

●「生物学賞」?「生理学賞」?

その中で特に正答率が低かったのは、山中教授の受賞が決まったノーベル賞の部門について。「生理学・医学賞(医学・生理学賞)」と正しく答えられた学生は全体の4割に満たなかった。「生理学賞」や「医学賞」といった正解の一部しか書けない学生や、「化学賞」など別の部門と間違える学生、「生物学賞」などと誤答してしまう学生が多かった。

●文理で理解度に顕著な差なし

また、iPS細胞の研究についての正答率を文理別に見たところ、問4の(う)を除いては文理に顕著な差は出ず、どれも5割程度となった。文系・理系に関わらず、身近な大学の研究内容を詳しく知らない学部生の実態がうかがわれた。

※クイズの正解
1.c 2.生理学・医学賞(医学・生理学賞) 3.a 4.あ.b い.c う.d

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