神戸大落語研究会の定期公演、六甲寄席が24日に灘区民ホール(神戸市灘区)で開かれた。3年生の引退公演でもあるこの寄席には、近隣の住民や、落語研究会が老人ホームなどへの出張公演で獲得したファンなど500人以上が詰めかけ、引退の花道は大きな笑いで飾られた。【11月27日 神戸大NEWS NET=UNN】
可愛家ひばちさん(経済・2年)の司会が開始から笑いを積み上げて場を温めると、その後も淀みなく放たれる渾身の噺の連続に笑いが絶えることはなかった。みなと家あひるさん(理・2年)の「牛ほめ」、みなと家さんごさん(理・3年)の「七段目」と続き、休憩と大喜利を挟んだ後「紙入れ」を甲屋乙鞠さん(法・3年)が披露。最後にトリとして登場したのは落語研究会会長を務める拡益亭湾漫さん(工・3年)。山登り中の主人と芸人の珍道中の噺である「愛宕山」を、体をいっぱいに使って演じきった。「愛宕山」は普通より長めのネタであったが、3年間で磨き抜かれた湾漫さんの技術に観客は引き込まれ、幕が下りるまで拍手が鳴りやむことは無かった。
高座で話しているうちはあっという間で、気が付いたら全部終わっていたと話す湾漫さん。幕が下りた後には会長として過ごした一年間のことが頭をよぎったそうだ。「あとは後輩がこんなふうに寄席をつくっていってくれたら嬉しい」とこれからの落語研究会のことを思いつつも、「今日で引退。1週間くらいはこの余韻に浸りたいと思います」とさみしげに語った。?
全ての演目が終了し観客のいなくなったホールに一本締めがパン、と響いた。その乾いた音の後に聞こえてきたのは寂しげな声ではなく、六甲寄席を成功させたこと、また3年間やりきったことへの充実感を滲ませる笑い声だった。
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