自由劇場による冬公演「東京ブラストーリー」(脚本・飯島松之助、演出/構成・佐藤さわお)が、7日から9日まで神戸アートビレッジセンター(兵庫区)で行われた。「赤組」と「青組」のダブルキャストが特徴の本公演。8日の午後1時30分から始まった青組の公演には、客席がほとんど埋まってしまうほどの観客が押し寄せた。【12月9日 神戸大NEWSNET=UNN】
下着会社の開発競争が進んだ2015年の東京。チャコールとシュリンプ、両社の関係は軍事衝突に発展し、互いに銃を交え戦っていた。そんな中、チャコール社は女性兵士の能力を増幅させる新型ブラ、通称「ヴィーナス」を開発。苦境に追い込まれたシュリンプ社も類似した男性用ブラを開発し、お互いの商売道具であったブラジャーでしのぎを削る。さらに第三極として、ヌーブラをつけた平和の戦士も登場。男子が戦場で見つけた正体不明のブラジャーに顔をうずめ興奮する様子や、戦う意味を見失い戦いを拒絶するなど、思春期を思わせる言動とそれに対するツッコミで笑いを起こしていた。
今回の演出を務めた佐藤さわおさん(経済・3年)によると、本公演をダブルキャストで行うのは約2年半ぶり。自由劇場は部員数も多く、なかなか全員が役者として出演できるわけではない。佐藤さんの「みんなに役者ができる喜びを味わってほしい」との思いもあり、ダブルキャストが実現した。またスケジュールに関しても、ダブルキャスト、会場が学外、台本がオリジナルと時間がなく、「今までで一番きつい」と振り返った。しかし「頭の中で考えた物語を劇として実現させたかった」と話す様子からは、充実感がうかがえた。
初めて演劇を鑑賞したという女子学生2人組は「臨場感がすごくて面白かった」とコメントした。
自由劇場は次回公演として「世界樹とガク」(作/演出・上島彰悟)を予定している。2013おうさか学生演劇祭vol.6の一環として、芸術創造館(大阪市旭区)で行われる。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。