ESSドラマセクションによる英語劇ミュージカルの62期冬公演「Oliver!」が12月21日と22日に出光佐三記念六甲台講堂で上演された。62期部員たちにとってはこれが卒業公演。会場には最後の雄姿を見ようと保護者も含めて多くの人が訪れた。【12月25日 神戸大NEWSNET=UNN】
ミュージカルの題材に選ばれたのは「クリスマス・キャロル」などで有名なイギリスの文豪、チャールズ・ディケンズによる「オリバー・ツイスト」。救貧院で暮らす孤児オリバーが苦難に遭いながらも幸せを掴んでいく話だ。劇中にはミュージカルならではの歌と踊りがふんだんに盛り込まれ、演者たちの流暢な英語が会場に響き渡った。要所ではシリアスな場面が展開され、最後はハッピーエンドで幕を下ろした。2時間半を超える長丁場となったが、舞台終了後のあいさつでは演者全員が満面の笑みを浮かべ、観客も惜しみない拍手を送った。
62期部員の中でディレクター未経験だった4人が先頭に立ち、8月から準備を始めた。それぞれが題材を持ち寄り、配役が一番はまり易いということで決定した。しかし問題があった。原作の「オリバー・ツイスト」は残酷な描写などが存在し、結末も決して後味の良いものではなかったのだ。「見に来てくれた人をすっきりとした気持ちにさせたかった」とディレクターの1人である塚本翔大さん(工・3年)は話す。協議の結果、ラストシーンを改変することで決定。演者との打ち合わせを重ね、台本は本番前日まで手直しが続いた。最後は一番良いものを残したいとの思いが、舞台の成功を導いた。
公演を終えた塚本さんは「まだ終わったという感じがしない。練習をして明日もやるという気持ち」と率直な思いを述べた。観客にも思いは十分伝わったようだ。息子の最後の舞台を見に来たという男性は「20代のエネルギーを感じた。最高のクリスマスプレゼントです」と涙ながらに語った。
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