祭りを交流きっかけに 灘チャレンジ2013

神戸大を中心とした学生と灘区民が協力して企画・運営する祭り、「灘チャレンジ2013」が6月2日、区内の都賀川公園で開催された。主に灘区を拠点とするボランティア団体やNPO等が多数出店した他、ステージでの出し物や区民ホールでの展示などが行われ、会場は多くの来場者で賑わっていた。【6月4日 神戸大NEWS NET=UNN】

灘チャレンジは阪神・淡路大震災の復興祭として始まり、今年で19回目を迎える。復興が進んだ近年では地域の人たちの交流の場となっており、今年のテーマは「いろんな灘がここにある」。実行委員長の沼田智紀さん(発達・3年)は、メインステージでの挨拶で、「灘には学生だけでなく、大人、子供、障害者に外国人など、多様な人々が暮らしている。お祭りを楽しむ中で、人々がお互いに興味を持つことがまちづくりの第一歩」と、テーマに込めた想いについて話した。実際、会場には子供たちやお年寄りを始め、様々な世代や立場の人たちが来場者として思い思いに楽しんだり、模擬店の運営に勤しんだりする姿が見受けられ、地域の祭りとして浸透している様子がうかがえた。来場した目的も様々で、東京から引っ越してきたばかりだという会社員の男性は、「会社でボランティア活動に取り組むことになったので、そのきっかけとするために来た」と話した。

灘チャレンジがこれまで焦点を当ててきたのが、障害者や野宿者、高齢者、災害の被災者といったマイノリティ、社会的弱者の存在だ。模擬店に出店している団体の多くはそのような人々を支援するボランティア団体であり、出店内容は食べ物の販売からバザー、活動の紹介まで多岐に渡っている。また、公園に隣接する区民ホールでは、阪神・淡路大震災や東日本大震災、灘チャレンジの会場である都賀川での水難事故に関する展示が行われた。さらには、障害者の来場を見込み、会場の設営や祭りの運営においては、全スタッフが筆談用メモを用意する、会場の通路を広く取るなど、様々な配慮が心がけられた。

毎年恒例の出し物としてステージで行われている寸劇は、今年は「野宿者」がテーマ。これは、公園で生活していた野宿者がある日突然中学生に襲撃され、意識不明の重体に陥るといったストーリーを通じ、野宿者排除の問題を描き出そうとしたものだ。脚本と演出を務め、自身もキャストを演じた実行副委員長の長谷川益大さん(工・3年)によれば、公園や路上の野宿者が物理的・心理的に排除されるのはごく身近な例だ。この寸劇における野宿者の役も、長谷川さんがボランティア活動を行う中で実際に出会った野宿者がモデルになっているという。会場である都賀川公園のベンチも、野宿者がベッド代わりに使用できないよう仕切りが取り付けられている。

2年連続で実行委員長を務めた沼田さんは、「去年の反省を生かし、地元の方々の意見をくみ取った上で、自分たちの頭で考えてやっていくことを心がけた」と話した。寸劇を15分に凝縮するなど、祭りのマンネリ化を防ぐための取り組みも行ったという。最後に、「沢山の人が来てくれて、上々です」と笑顔をみせた。

【写真下】ステージで行われた寸劇(6月2日・都賀川公園で 撮影=國枝和基)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

月別アーカイブ

サークル・部活総覧

  1. 神戸大のサークル・部活のツイッター・アカウントを探せるぞっ!クリックすると、『神大PORT…
  2.  神戸大学の文化系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  3. 神戸大学のスポーツ系のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随…
  4. 神戸大学の医学部のサークル・部活(順不同)をジャンル別にリストアップしました。情報は随時更…
ページ上部へ戻る