アートのテーマは「入ってみたくなるお店」。モトコ―7番街の壁にオープンした魔法道具ショップは、発達科学部人間表現学科岸本ゼミの4年生チームによる作品だ。モトコ―に立ち並ぶ怪しげな雑貨屋をモデルに、明るいファンタジー要素を盛り込んだ。メンバーの山本法子さん(発達・4年)は「見る人を楽しませる作品に仕上げた」と振り返る。元町駅前1番街付近の壁には、同ゼミの3年生チームが銭湯を描いた。「あ風呂屋」と題され、銭湯に集うアフロヘア―の老若男女のにぎやかな様子を表現した。「題名に込められた意味に『クスッ』と笑ってもらえれば」と製作者の浅野陽子さん(発達・3年)は話す。通りを歩く人々は壁に描かれた新店舗に気づくと興味深そうに足を止める。仕上げの筆を入れる学生たちに「だいぶ色がついてきたな」と声を掛けたり、アイスの差し入れをする人も見られた。
空き区画の壁を若者のアートで埋め、閑散とするモトコ―の雰囲気を明るくしようと企画された。JR西日本と地元振興組合の有志が主催し、神戸大や神戸芸術工科大など5大学の学生が参加している。神戸大からは岸本ゼミのほかに美術部凌美会も参加し、こちらも2壁面を使ってモノクロ画などを描いた。
「現場での製作を通してモトコ―に対するイメージが変わった」と山本さん。独特の雰囲気から以前は敬遠していたが、現地の人との交流もあり、商店街内の怪しげなペットショップやメイド喫茶にも足を運んだという。「面白い店がたくさんあるので、明るいアートを見て訪れるきっかけにしてほしい」と思いを語った。
【写真】1番街付近の「あ風呂屋」(8月9日・元町高架下商店街で 撮影=田中謙太郎)
学生たちのそれぞれの作品については人気投票が行われる。モトコ―2番街の「プラネット EartH」で9月20日から30日まで投票することができる。
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