演劇部自由劇場新人公演「花の紅天狗」が9月21日、22日の2日間にわたって行われた。
劇団一座を率いる座長・月影花乃丞(つきかげはなのじょう)の身体は弄馬性爆心症<ハイテンション・ビックバン>という恐るべき病魔に蝕まれていた。舞台に立てなくなった彼女の代わりに幻の舞台「花紅天狗」の主役を演じるのはベテランの花形役者・桜小町カケルか、突如現れた驚くべき演劇の才能を持つ蕎麦屋の出前持ちの娘・赤巻紙茜か。新人の茜が困難を乗り越えて役者として成長しようと奮闘する一方、日本芸能界の征服を試みる悪徳プロデューサー・仰天一郎(おおぎてんいちろう)が「紅天狗」の上演権を横取りすべく、妨害工作をはじめる……。さまざまな運命が交差する中、ついに「花天狗」上演のときがきた。ギャグ大いにあり、シリアスありの奇人変人入り乱れる痛快なドタバタコメディである。
演劇を志す人々の人生を描く今回の作品は、同様に演劇に魅せられた自分たちにも重なるところがあったという。
主役の赤巻紙茜を演じた玉村恵理(発達・1年)さんが、作品中で一番印象に残っているセリフは、「あなたの演技はセリフを条件反射言っているだけよ!」という月影先生のセリフ。コミカルな悪役・仰天一郎を演じた赤井大気(理・1年)さんにとっては、「役者はパッション!」
2人とも新歓期に役者体験をし、入部を決めたという。実際に演じてみて、玉村さんは「みんなで泣いたり、きついことを言い合ったり、大変だったけどすごく楽しかった。演出の先輩もとても頑張ってくれて。ひとつの空間をみんなでつくるとはこういうことかと実感した」。舞台で圧倒的な存在感を放っていた赤井さんは「はじめは仰ならどうするだろうか、と考えて演技していたが、だんだん自分と役が一体化してきた」という。
役者は全て1年生だが、演出を担当したのは自由劇場2年目の和田崇太郎(農・3年)さん。1年生全員が役者として活躍できる演劇として、今回の「花の紅天狗」を選んだ。「1カ月間後輩が一生懸命練習する姿をずっと見てきたので、父親のような気持ち。とても可愛い」と話し、後輩に教える中で自分自身も役者として学ぶことが多かったという。
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