●国際文化学部食堂 席無く「漂流」
学内で最も利用者が多い国際文化学部食堂のピーク時は大混雑。席を探してさまよう「漂流者」が現れる。「全然席無いなあ」「取りあえずウロウロしよう」さまざまなつぶやきが「漂流者」から漏れる。
寒空の下屋外のベンチで食事をしていた男子グループは、目を離した隙に食堂内に確保していた席を他の学生に取られてしまった。「席があったら中で食べるが外で食べることも多い。食堂では落ち着いて食べられない」。
食堂内で「漂流」していた6人グループは「席取りに負けた。でも3限が無いのでゆっくり待ちます」と余裕。食事が終わっていそうな人のテーブルに寄って無言の圧力をかけるのが2回転目の席を確保する技だそうだ。
授業が早く終わった友達に席を確保してもらったり、少人数体制で席を探したりと学生たちは色々な工夫をしている。
一方、カウンター形式の「ぼっち席」の回転は早い。利用者の食事時間は8分から25分とさまざまだ。
●図書館・自習室 勉強場所探し「漂流」
利用したいときに図書館や自習室が閉館しているため、勉強する場所を求めて「漂流」する学生がいる。
「仕方ないから家で勉強するが、図書館のほうが集中できる」「土日開放している社会科学図書館は遠い。国際文化学図書館のほうが便利なのに」と学生は漏らす。とくに卒論や資格試験、院試の勉強に取り組む学生の声は切実だ。
「漂流者」が行き着く先は、六甲道駅周辺のファストフード店。しかしインターネットが使えず不便。長居や毎日利用することもはばかられ再び「漂流」してしまう。
国立大学初となる24時間自習室を平日開放している京都大に続き、大阪大も今年から試行的に自習スペースを24時間開放した。しかし神戸大生のなかには「24時間は使わない」「あったらいいかも、というくらい」という意見もあり、どれほど需要があるかは不明だ。
●学生会館 閉館早まり「漂流」
学生がはじき出されているのは食堂や図書館だけではない。今年6月、学生会館の閉館時間が1時間早められた。「仕方ない」と受け入れる学生の声もあるが、授業などの関係で練習に参加する時間が遅くなる大学院生や理系学生は、どうしても練習できる時間が減ってしまう。音楽系の部活に所属する学生は「うるさいので家では練習できない」と嘆く。
膨大な学生数を誇る神戸大のキャンパス。学生生活、勉強、課外活動など楽しみたいものがたくさんある学生をどれほど受け入れることができるのか。
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