醜いが高い知能をもつ姉シュラと、美しいが頭が弱いマリアは腰のところでくっついている双子。シュラは、誰からも愛されるマリアにコンプレックスを抱き、孤独になりたいと願う。一方、別の世界では化物たちが双子を自分の世界へ引きずり込もうとしていた。10歳になる直前、このままでは二人とも死んでしまう事実を知る。双子は人間の世界をとるのか、化物の世界をとるのか。人間の世界と化物の世界、その境目の曖昧さをマジックミラーや照明で効果的に演出するなど、観客を驚かせるいつものジゲキの技術は健在だった。
「我の強い人ばかりで苦労したが、今のメンバーなら出来ると思った」と演出の横山たかしさん(経営・4年)は語る。部署ごとの忙しさの時期や個々の脚本への解釈が違うなど、まとめることの難しさを痛感しつつも、部員への信頼をのぞかせた。「今回のテーマは愛と孤独という陳腐なもの。色んな考えがあっていい」と、結末の解釈は観客に委ねた。見に来ていた男子学生は「難解なストーリーだったが、最後まで未知の部分を残したまま引っ張ったのがよかった」と、自分の中で一つの結末に達したようだった。
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