「クリスマスに原作を鑑賞したとき、言葉にできないものを胸の中に感じた」と話す演出の永井一平さん(文・3年)。大学に入りたての新入生に「演劇って暗いイメージがあるけど実はアツいもんなんだぜ」というメッセージを訴えかける題材として選ばれた。
物語は内戦に明け暮れた架空の国が舞台。スラム街の少年探検団として活躍する主人公トモロウたちは、街で噂になっている「黒いサンタクロース」を探して下水道に潜り込む。そこで見たものは黒いマントに身を包んだ地底人たち。出口めがけて必死に逃げるトモロウらだが、スラムの孤児バジルが地底に閉じ込められてしまう。その後20年の月日が流れ、事件の真実が明らかになり、地底人による国を巻き込んだ新たな戦いが始まる。役者を変えて20年前と現在が交互に同じ舞台上で展開され、全体にシリアスな雰囲気を漂わせながらダンスやコミカルな掛け合いでストーリーに重さを感じさせない。劇中に随所に盛り込まれたのは主人公たちの「走る」場面。「ランニングシーンが最もアツい」と永井さん一押しだ。最後は必ずハッピーエンドで終わらせるジゲキスタイルで、あっという間に2時間が過ぎた。
ジゲキの熱意は新入生に届いたようだ。千秋楽公演を見に来た女子学生は「大学の演劇の本気度に圧倒されてしまった。ここに入りたい」と涙を光らせて話した。
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