今年のレイバンズにスターはいない。全員でつかんだ勝利だ。「全員よくやった。思い切ってプレーしていた」と試合後、選手を褒めたたえた萬谷ヘッドコーチ。自身も就任後初めての京大戦勝利に笑顔を見せた。

前節で見えた課題がインターセプト。副将のＤＢ佐藤（経営・４年）は「課題を意識して取り組んだ練習の成果が出た」と話す。第１ＱでＴＤを演出したＬＢ田中のパントブロック。ＳＦ林裕（経済・３年）も２度のインターセプトで相手の攻撃のリズムを乱す。第４Ｑ１０分にはＣＢ林雄（発達・２年）が自陣エンドゾーン内でのインターセプトを
決めて窮地を救い、主導権を握り続けた。

攻撃陣では正ＱＢ櫻井（経営・３年）がけがのため京大戦を欠場した。チームに動揺が走ったが、「かえって危機感と一体感をもたらした」と主将のＬＢ久保（医・４年）。代役のＱＢ鳥取は初スターターながら着実なプレーで勝利に貢献。「２週間、打倒京大のためにどうすべきか必死に考えた」。

春季、２部のチームに逆転負けを喫するなど、不本意な結果だったレイバンズ。努力が報われ、涙を浮かべる選手もいた。だが、レイバンズの今年の目標は勝ち越しでのＡクラス。萬谷ヘッドコーチは「価値のある勝利だが、まだ一勝」とげきをとばした。