10月20日から図書館の返却ルールが変更された。延滞すると当該館での貸し出しが延滞日数分停止されていたが、新ルールでは延滞図書を返せば貸し出しが可能になる。しかし、延滞している間はどの図書館でも貸し出し不可だ。これまでは延滞資料の所蔵館だけが貸し出し不可だった。
 適用から約1カ月経過した。学生からは「便利になった」「長い間延滞する人がいそうで自分が使うとき心配」などの声が挙がる。このルールの目的はふだん使わない館の延滞図書に気づいてもらうこと。1年次に国文図書館で借りた本をそのまま借り続け、延滞日数が1年を超えた学生もいる。そういった人に返却を促すためだ。

 しかし、このルールがずっと続いて いくかは未定だ。本を借りる時まであえて、延滞図書を返さない学生や、図書館を使わないからと延滞日数を気にせずずっと借り続ける学生がいるかもしれないのだ。図書館内でも罰則をどう設定するかは特に検討された。附属図書館に勤める前川敦子さんは「効果は運用しながら判断する。延滞が増えたり、デメリットが大きければ再検討も行う」と話す。

 しかし、うっかり本を返し忘れた人にとっては良い制度だ。実際、その場で家まで延滞図書を取りに帰る学生もいたほど。すぐに本を借りられるということで勉強へのモチベーションも上がりやすい。

 問われるのは学生のモラル。前川さんは「図書館の本は共用物なので期限を守ってほしい」と訴える。ルールに沿った使用が求められる。

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