毎年11月に鶴甲第一キャンパスで開催される厳夜祭について、今年の開催を巡り厳夜祭実行委員会と大学の交渉が大詰めを迎えている。実行委員会は11日に祭りの最終企画書を学務部に提出。開催の可否は、6月3日に行われる学生委員協議会で決まる。実行委員会は昨年と同じ形式での開催を最低ラインとするが、大学が認めるかは不透明だ。

実行委員会は今年の厳夜祭について、最初は昨年禁止されたオールナイト開催と酒の提供を復活させることを考えた。灘の酒に親しむ地域イベントというコンセプトで、近隣の酒蔵と協力した利き酒会などを計画。酒を通して地域の歴史や文化を学生が学ぶ機会とし、オールナイトで開催し多くの地域の人に足を運んでもらう狙いがあった。しかし大学は、特に飲酒トラブル時の管理責任リスクを考え難色を示した。実行委員会はやむなく企画案を修正し、酒無しで夜12時まで開催という形で提出。来週にも学生協議委員会メンバーの教職員らに対し、企画についてのプレゼンテーションを行う。

実行委員長の田村豪さん(文・2年)は「昨年は夜間主生ゼロでも開催を認めてくれた事実がある。祭りの形式が昨年と同じなら、今年認められない理由はないはず」と話す。一方大学は昨年の開催許可について「前期まで夜間生が在学していたことに配慮した温情的措置」との見解を示す。2011年に定められた開催条件を根拠に、昨年認めた既成事実に依らず開催可否を個別に検討する構えだ。

?【キーワード】学生委員協議会…学生の支援に関する重要事項を協議するもので、月1回開かれる。メンバーは、理事1人、各研究科の学生委員の教員、学務部長、保健管理センター所長、キャリアセンター長、大学教育推進機構国際教養教育院長で構成される。

 

  • 4年前の開催条件 実行委OG「事前相談なかった」

厳夜祭が開催を巡ってもめる背景には、従来の主催者だった夜間主生の消滅と、2011年の学生協議委員会で定められた開催条件がある。

昨年で41回目を迎えた厳夜祭は、もともとオールナイト開催で酒が飲める夜間主生向けのイベント。夜間主生の募集が次々と停止されたため担い手も客もいなくなり、2000年代半ばに一度廃止の危機を迎えた。しかし昼間主の学生が実行委員会に加わり広報に力を入れたことから出店も客の数も増加。2007年度を最後に夜間主生の募集は完全に停止されたが、厳夜祭自体は一般学生に親しまれる祭りへと変わった。

しかし大学は2011年6月の学生委員協議会で、翌年以降の開催条件を「最低1人の夜間主生が大学に在籍かつ実行委員会に所属すること」と決定。夜間主生がゼロになった時点で従来の厳夜祭は廃止扱いとなり、以降は「学生から六甲祭の一環として夜間に開催したいという要望があれば検討する」とした。当時実行委員長を務めていた芳川祐佳さん(2014年発達卒)は「事前に相談なく決められた条件。後で決定を聞いて学務部に抗議したが、(学生委員協議会の)議事録も見せてくれなかった」と振り返る。

昨年秋までに夜間主生は全て卒業し、条件を満たせなくなった。しかし実行委員会が存続を求め大学と交渉し、厳夜祭は開催された。ただし開催時間は夜10時までで、酒の提供は禁止された。大学が定めた条件に基づけば、一旦従来の厳夜祭が廃止扱いとなり、その後学生の要望から検討した結果開催が認められたことになる。

 

 

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