【コラム・伏流水】歴史から学ぶこと

 「歴史なんて勉強する意味ない!なんで勉強しないとだめなんだ!」。これまでにこう思ったことがある人は多くいると思う。だが、本当にそうだろうか。

 2015年NHK大河ドラマ「花燃ゆ」を見て、吉田松陰について知りたいと思い、松陰が幕府に処刑される前日に獄中で書き上げた遺書「留魂録」を読んだ。その中で僕は、松陰の死生観に深く感銘を受けた。「10歳には10歳の、50歳には50歳の四季がある。私は30歳、四季はすでに備わっており、花を咲かせ実をつけているはずだ」

 松陰は人の一生を穀物の四季に例え、何歳で死んだとしてもその人生にはおのずと四季があり、最後に実をつけると考えた。人生は生きた長さではなく、何をしたかだという松陰の思想を表している。

 僕はどうだろうか。単なるもみがらとなってしまうのか、成熟した実となるのか。また、成熟した実をつけるにはどう生きるべきなのか。明治維新の原動力となった思想家の言葉は、150年の時を経て深く胸に刺さる。

 歴史はただの過去ではない。先人たちの言葉は、私たちに今を生きるヒントをくれる。

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