「安全保障関連法案に反対する神戸大学緊急集会」が３０日、出光佐三記念六甲台講堂前で開催され、学生や教職員ら約１８０人が参加した。熱中症予防のため聴衆に水が提供される中、参加者は法案や安倍政権への批判をリレートーク形式で展開した。

　集団的自衛権の行使容認を軸とする安全保障関連法案は現在、参院平和安全法制特別委員会で審議されている。法案には憲法違反ではないかという意見や、他国の戦争に巻き込まれるのではないかとの懸念が示されている。

　集会は人間発達環境学研究科の岩佐卓也准教授と井口克郎講師の呼びかけによるもので、教職員や学生・卒業生ら１３５人が賛同人に名を連ねている。

　岩佐准教授は冒頭、「戦争で一番犠牲になるのは普通の人々。特にお年寄りや子どもたちが影響を受ける」と法案の廃案を主張。国際協力研究科修士課程の男性が「立憲主義や民主主義などの近代政治の基本を守れない政権は辞めてほしい」と主張すると、参加者からは歓声が上がった。集会は法案の廃案を求めるアピールを採択して終了した。

　参加した国際協力研究科修士課程の女性は「（政治に関する）集会に参加するのは初めて。あまり政治のことはよく分からないが、法案審議のプロセスはおかしいと思う」と話した。卒業生で弁護士の女性は「出身校で皆さんが立ち上がって声を出してくれることは、私自身の勇気にもつながった」と述べた。

　集会を終えて岩佐准教授は「５０人程度の参加を見込んでいたが予想以上に集まっていただいてうれしい。反対意見を持っている学生や教員が想像以上に多く、法案がいかに根本的な変化を起こそうとしているかが分かる」と感想を語った。