ことし創部100周年を迎えた神戸大学山岳部と同部卒業生らで構成される山岳会は、チベットの未踏峰「バダリ峰(標高6516メートル)」の初登頂に挑む。武漢にある中国地質大の体育部と合同で登山隊を編成。出国を10月に控え準備に力を注いでいる。
バダリ峰はヒマラヤ山脈の北に平行するニェンチンタンラ西山群に属し、中国チベット自治区の中央部・ラサの北西約100キロメートルに位置する。
登山隊には山岳部から井部良太主将(経済・3年)と松村健司さん(工・4年)の2人や、隊付医師の計7人が参加。中国地質大からもおよそ10人が加わる。10月6日に出国し船と汽車で移動、19日までには登り始め2週間から3週間かけて登頂する予定だ。
山岳部では未踏峰に登ることが創部以来の伝統。海外では過去に6座の初登頂に成功している。山岳会の井上達男会長は「未知の山に入ることは、後世の研究につなげる意味で大学の山岳部としては重要」と言う。
未踏峰だけに、登山ルートの検討はインターネット上で現地の衛星画像を見ながら行ったという。装備や必要日数も自ら計画を立て準備を重ねてきた。
技術習得のために、六甲山で毎週末に行うロッククライミングに加え、8月に剣岳(富山県)で2週間の合宿を敢行した。9月中旬には富士山で高度順応を図る予定だ。井部主将は「普通はベースキャンプを高度4000メートル台半ばに置くが、今回はいきなり約5000メートルのところに設ける。いかに高度に慣れるかが鍵」と話す。
松村さんは「何も分からないところを一から探索していくのは普通の学生生活ではできない。無事登頂して誰も見たことのない景色を見たい」と意気込みを語った。
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