【9月号掲載】都賀川の増水 予測可能へと

 急増水が起きやすい都賀川(神戸市灘区)について、雨量を入力すれば水位や流量の変化を予測できるシステムを、神戸大の研究者2人が開発した。豪雨時の浸水深や、貯水設備を整備した際の効果を予測することもできる。

 都賀川の流域は狭く急勾配が多い。このため、豪雨時には雨水が本流や支流、雨水幹線と呼ばれる水路に流れ込んで都賀川に集中。10分間で50センチメートルも水位が上昇するといった急増水が起きやすい。2008年には急増水によって小学生ら5人が死亡する事故が発生した。

 システムは、工学研究科の藤田一郎教授と都市安全研究センターの小林健一郎准教授が開発した。河岸の監視カメラの映像を解析し、過去の雨量データや地形・地質の情報を加味してモデルを作成。気象庁や国土交通省のレーダーが観測した雨量の情報を用いて、システムが水位や流量の変化を計算する。川だけでなく雨水幹線での雨水の流れ方や浸水深も予測できるのが特徴で、「(開発手法は)他の同規模の都市河川にも応用できる」と小林准教授は語る。

 さらに付近の公園などに貯水設備を設けた場合の想定も可能で、行政の治水計画に反映させることも考えられる。

 今後の課題は雨水が都賀川に流れ込むまでの経路を明らかにすること。小林准教授は「(上流の)山の中で水がどのように吸収され動くのかを解明することで、急増水のメカニズムがさらに理解できる」と話している。

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