医学部医学科の学祭「大倉山祭」の関連イベント「医療シンポジウム」が10月25日に開催された。学生らが手術支援ロボット「ダヴィンチ」の操作を体験。脳科学の研究者による講演も行われ、来場者の知的好奇心を刺激する一日となった。
午前のダヴィンチ体験会は医学部附属地域医療活性化センター(神戸市兵庫区)で実施された。操作台の上には患部の立体映像を表示するモニターがあり、実際の手術では医師が映像を見ながらロボットアームを遠隔操作する。従来の手法より傷口が小さく済み、より細かい操作が可能だ。神戸大ではセンターと医学部附属病院が1台ずつ所有し、センターにあるものは学生の実習に使われている。
体験会には事前に申し込んだ医学部生6人と中高生6人が参加。ダヴィンチを使って、突起にかけられた輪ゴムを別の突起に移す作業に取り組んだ。操作には両手の親指と人差し指を使い、まるで実際に輪ゴムを触っているかのように手指を動かす。高校2年の横山玲奈さんは「難しそうだと思っていたが、機械を通している感じがせず案外簡単に出来る。(ロボットの技術は)ずいぶん進歩していると思った」と語った。
午後は会場を医学部研究棟に移し、「まだまだ知らない脳のしくみ」をテーマに学内外の研究者3人が講演した。医学研究科の曽良一郎教授は、薬物依存や統合失調症などの心の病に関する研究がどのように進んできたのかを解説。学生だけでなく地域住民も多く訪れ、メモを取りながら熱心に耳を傾けた。会場近くに住む女性は「難しい話だったが、自分の中で問いがいくつも生まれて楽しい」と脳科学の奥深さに感動していた。
医学部内のサークル「東洋医学研究会」は、肥満症の改善に効果のある漢方薬についてポスター展示を行った。訪れた人に漢方茶をふるまい、試飲した人からは「思ったより苦みが無い」と好感触を得たという。尾本仁那部長(医・4年)は「漢方を身近に感じて深く知ってほしい」と話した。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。