◎論文中の画像改ざん 農学研究科の元院生が認める

 農学研究科の大学院生だった男性ら5人が2010年に発表した研究論文で、実験結果を示す画像が改ざんされていることが分かった。外部の指摘により発覚し、ことし6月に指導教官の教授が論文を撤回した。同研究科では、論文と男性の博士論文との関連を調べている。今後、男性の博士号について、取り消しも含めて検討するという。

 広報室によると、論文はイネの生育を阻害するいもち病の菌の進化に関する研究。男性が主に執筆し、米国の学会誌に掲載された。

 問題の画像は、イネ科の植物を枯らす菌の性質が遺伝子操作によって変わることを示すもの。実験では病変自体は起きたものの、見た目では分かりにくい結果となったため、男性は別の条件で実験した結果の画像を上下反転させて、枯れたように見せたという。

 論文の結論への影響はないが、ことし5月にインターネット上で画像操作が指摘されたことを受け、6月に指導教官の教授が論文を撤回。大学は同月に学内外の研究者や弁護士で構成する調査委員会を設置し、11月に改ざんがあったとする結論を出した。男性は調査委に対し、改ざんを認め「博士論文も同時に執筆していて忙しく、ついやってしまった」と話したという。

 男性は09年に同研究科を修了し、 大学を離れた。同研究科では、画像が男性の博士論文にも使用されていないかなど関連を調査している。結果によっては博士号を取り消す可能性がある。他の4人の執筆者については、不正に関与せず改ざんについて知らなかったため処分しない方針だ。

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