発達科学部人間表現学科の３年生らによる授業公演『ＳＩＸＴＨ』が５日、百年記念館六甲ホールで行われた。五感を題材に、舞台上で演劇、音楽、身体表現など様々な専門分野が融合。２００人を超える観客を集めた。

　公演では主人公の貴婦人が、肉体から解放されて理想の自分を手に入れる様を描いた。第１幕から第５幕にかけては五感のそれぞれを主題とし、終幕では全ての制限を取り払い貴婦人が第六感を得る。１９世紀ドイツの作曲家シュトラウスの交響詩『死と変容』を下敷きに制作された。

　貴婦人は各幕の間に、理想への熱い思いを静かな舞いで表現する。演じた竹井雪菜さん（発達・３年）は「公演全体のメッセージが伝わるかどうかは自分の表現にかかっている。みんなが頑張っているのを無駄にしたくない」と責任感があったという。

　劇中、せりふはほとんどない。生演奏に合わせて幼児に扮した出演者が駆け回る場面や、スクリーンに投影された映像に合わせてダンスをする演出など、多彩な表現の組み合わせを試みた。観客の女性は「いろんなジャンルの方々が混ざるとこんな舞台になるのかと、興味深く見た」と満足そうだった。

　構成を担当した大須賀香代さん（同）は「お客さんにもそれぞれの立場で、かせになっているものはあると思う。理想を達成するためにかせを取り払ってみてはどうか、という思いが伝えられれば」と話している。