理学研究科の末次健司特命講師(生態学)は昨年10月、鹿児島県の屋久島で新種の植物を発見。「ヤクシマソウ」と命名した。光合成をせず、特定の菌類から養分を得る菌従属栄養植物の一つだ。
島在住の写真家・山下大明(ひろあき)氏との共同調査で見つかった。全長約5センチ。全体的に黒みがかった紫色で、雌花の花柱にこん棒状で多数の突起がある。東京大や東北大の研究者と検証した上で新種と確認された。
ヤクシマソウが生息するには、原生林特有の土壌や気候、他の生物との共生関係など、複雑な条件を満たす必要があるという。しかし発見地は人里の近くで、世界遺産や国立公園の登録地域から外れており、伐採や開発も可能だ。末次特命講師は「(屋久島では)高地の樹林ばかり注目されがちだが、低地にも豊かな環境がある」と保全の必要性を話した。
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