演劇研究会はちの巣座の新入生歓迎公演「キャベツの類(たぐい)」(作・前田司郎)が24日から、シアターD300で行なわれている。3日目の26日も多くの観客が訪れた。
記憶(キャベツ)を取り出してしまった男の前に、頭に青虫が住み記憶が穴だらけの女が現れる。「先生」や「神」といった個性的な人物も登場し、小さな舞台で「記憶」を巡る予想外の展開が繰り広げられる。独特な台詞と演出で、難解で不条理な世界観を見事に表現した。
「記憶がない役だったのでイメージが作りづらかった。フラットな立場から役の個性を徐々に表現していった」と役作りを振り返ったのは主演の冨岡正太郎さん(文・2年)。深みを持たせるため、台詞の1文字までこだわり、緻密な演技を心掛けた。
演出を担当した福田智史さん(法・3年)は新入生に一味違った演劇を楽しんでもらうため、あえて難しいテーマに挑んだという。「多くの新入生は演劇に対するステレオタイプを持っていると思う。音や光の演出が多いのもいいが、今回のような演劇も面白いんだというのが伝われば」と語った。
観劇した経済学部1年の男子学生は「内容は難しかったけど、演技に迫力があって引き込まれた」と話す。
公演は29日までで入場料は無料。公演後には舞台裏を紹介するバックステージツアーと新入生限定の食事会も行っている。詳しくははちの巣座のウェブサイト(http://hachinosuza.web.fc2.com/)まで。
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