経済学部2年の寺本わかばさんが熊本地震を受けて4月から1年間休学し、地元の熊本県西原村でボランティア活動に従事していることが分かった。「地元出身者だからできることがある」と被災者に寄り添い続けている。
西原村は熊本市中心部から東に車で45分ほどのところ。人口は6900人弱で同16日未明の地震で震度7を観測した。
村が受けた被害は大きかった。水道の復旧が特に進まず、未だ給水車による飲用水の提供が続く地域もある。壊れた家の片付けをする様子があちこちで見られ「梅雨までには終わらせたいという声が多い」という。仮設住宅への入居が始まるのは6月中旬頃の見通しだ。
寺本さんは同24日から25日にかけて帰郷。被災した地元を目の前にして、1月に訪ねた岩手県陸前高田市の様子が思い浮かんだ。東日本大震災から5年経ち、目に見える部分では復興しつつあったが、被災者の心の傷は深いままだったという。「西原の人たちも同じようになってしまうのだろうか」との思いがこみ上げた。
西原村のボランティアセンター(VC)で支援活動をしている神戸大出身のスタッフから「土地勘があって被災者と顔見知りの人が求められている」との話を聞いて、「自分にできることがあれば」と休学を決意。同30日にはVCに入った。
主な活動は村を回って必要な支援を住民から聞き取ったり、避難所で住民の話し相手になったりすること。方言で話しかける寺本さんに地元の人々は安心感を持ってくれるという。「お年寄りの方だと『孫と話しているみたいで気が楽になった』と言われることも多い。足を運ぶことだけでも大切」と話す。農作業をしたり漬物を作ったりする日々の習慣が生きがいだった人も多い。目に見えない日常の困り事や心情の部分にも目を向けることを心掛けている。
「個々人でニーズが多様化しつつある。最終的には住民の方々が中心となって動き出せるようにサポートしたい」と寺本さんは活動に精を出している。
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