◎灘チャレンジ 初の7月開催もにぎわい変わらず

 神戸大生らが灘区民と共同で運営する祭り「灘チャレンジ」が7月3日、神戸市灘区の都賀川公園で開催された。クオーター制導入の影響で開催時期が例年の6月上旬から移ったり、二つあったステージが統合されたりと変更が多々あった今年。最高気温が30度を上回る暑さの中、家族連れや地域の方々などでにぎわいを見せた。

 今年のテーマは「NO NADA NO LIFE ~このまち、灘で暮らす~」。菅桃子実行委員長(法・3年)はオープニングで「同じ町で暮らすさまざまな人と関わりながらこの町で暮らす実感を持ってほしい。灘チャレンジがそのきっかけになれたら」と話した。会場では28の団体が模擬店を出店。ステージでは神戸大生を中心としたさまざまな団体の催しが行われた。

◆香ばしい鹿肉料理を提供 木の家

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「木の家」が出した模擬店

 ひときわ香ばしい匂いを放っていたのは神戸大生を中心とする学生団体「木の家」が販売する鹿肉料理だった。木の家は兵庫県多可町を活動拠点とし、地域活性化のためログハウスの増築、農業などを行っている。多可町は鹿による獣害が多い地域で、猟師に獲った鹿肉を提供してもらったという。メニューは鹿肉のローストや唐揚げ、すじ肉のしぐれ煮の三つ。各100食ずつ用意されていた。

◆消火器の使い方 子どもたちに伝授

児童らに消火器の使い方を教える

児童らに消火器の使い方を教える岡田詩穂さん

 今年初の試みとして消火器体験スペースが設けられた。

 阪神・淡路大震災の際の教訓を生かし、自分たちの町の防災を知ってほしいという思いから企画の実現に至ったという。火事が起きたら「火事だ」と叫ぶ、消防車が来たら道を空けるなど火事の際に行うべきことや消火器の使い方が実行委員の岡田詩穂さん(発達・2年)によって茶目っ気を交えて説明された。岡田さんは「堅苦しい説明をしても皆の記憶には残らない、楽しんで消火器に触れてもらう方がいい」と話す。

 説明の後に行われたのは消火器の体験。消火器の体験をした男の子は「消火器は重たくて思い通りにいかないところはあったけど意外と簡単だった。火事の時にちゃんと消火器を使えそう」と満面の笑みを浮かべた。

◆寸劇交えちんどんショー

「モダン・ドンチキ」のちんどんショー

「モダン・ドンチキ」のちんどんショー

 学内のサークル「モダン・ドンチキ」はちんどんショーを披露した。

 昨年まで恒例だった実行委員会企画の寸劇に代わり、今回初めて物語仕立ての演出も試みられた。

 灘チャレンジのテーマに沿って部員たちが地域の人々に扮(ふん)し、町で暮らす人たちとのつながりの大切さを描写した。

 ショーの最後には新入生も交え部員全員で西城秀樹の曲「ヤングマン」を演奏。誰もが知っていることを意識した選曲で、「Y・M・C・A」の部分を「N・A・D・A」と歌う工夫をしたという。モダン・ドンチキの小倉あんこ座長(工・3年)は「今回祭りの形式が変わったことにより寸劇の話があがった。劇は学生自身が考えたもの」と話した。

◆恒例ビンゴ 1等は児童2人

1等を当てた女の子

1等を当てた女の子

 灘チャレンジ最後の企画は「灘チャdeビンゴ」。多くの来場者がステージ前に集まり、実行委員の発表する数字と自身のビンゴカードを照らし合わせ一喜一憂した。

 1等のホテル「オテル・ド・摩耶」(灘区)ペア宿泊券を当てたのは6歳の男の子=灘区=と5歳の女の子=同=。女の子の母親は「当たって良かった。ホテルへは家族で行きたい」と笑顔で話した。

◆委員長「つながり大切に」

 開催時期の変更により懸念されたのは雨と食中毒、熱中症。実行委員らは買い出しの方法を工夫するなど安全な開催に配慮したという。「けがもなく事故もなく終わってうれしい。地域の人たちとのつながりを大切にする大変さを感じたので、来年に向けて後輩たちには頑張ってほしい」と菅委員長は振り返った。

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