熊本県西原村出身の寺本わかばさん(経済・2年=休学中)は、 4月の熊本地震以来、被災した地元で救援活動を続けている。
時がたつにつれて、簡単に解決できない課題も浮き彫りになってきた。被災した農家の収入をどう確保するか。インターネットを使わない高齢者にどう生活情報を伝えるか。復興への道筋は不透明だ。
そんな中、寺本さんは復興支援のグループ「わかばmeeting(ミーティング)」を5月に住民と立ち上げた。30代から40代を中心とする有志で構成。炊き出しや食器市などを開催し、 人々が集う場をつくり出している。
「復興の担い手は住民自身。全くの受け手になってほしくない」 と話す寺本さんは、住民の主体性を引き出す工夫を凝らす。
炊き出しでは住民も食材を持ち込み、調理も共同で行った。参加者からは「今まで(支援を受けて)感謝する立場だったが、感謝される立場にもなれてうれしい」 という声が寄せられた。
Jリーグ所属のサッカーチーム「アビスパ福岡」の試合会場ではまんじゅうを販売した。シルバー人材センターのお年寄りに依頼して、作ってもらったものだ。センターには地震後、販売先が被災した影響で仕事の依頼が来なくなっていた。久しぶりの仕事に、参加者は皆、生き生きとした表情をしていたという。
「地震を機に、村には自分で考えて行動しようという機運が出てきた。いろんな人を巻き込みながら新しい西原村を作っていきたい」 と寺本さんは奔走する。
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