松本さんは昨年11月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)など8学会・機関が主催した「衛星設計コンテスト」で審査委員長特別賞と電子情報通信学会賞に選ばれた。これまでは大学院生のチームや研究室の受賞が大半で、個人は異例。心理学からの転向組が快挙を果たした。
設計したのは宇宙空間を高エネルギーで飛び交う粒子「宇宙線」を観測する人工衛星。宇宙線と雲の形成の関係を探る狙いだ。
幼少期から星を見るのが好きで、宇宙に興味を持つように。理系の国立大の受験に失敗し、京都女子大に入り心理学を専攻した。だが宇宙への憧れを捨て切れず2015年、神戸大発達科学部に3年次編入した。
編入後すぐにコンテストを知り応募を試みたが、当時の指導教員に反対され一度は断念。しかし「人に言われてやめたら後悔する」と思い、昨年5月に応募した。
所属する研究室には衛星設計の専門家が在籍せず、ほとんどの作業を一人でこなした。解析用ソフトの使い方も、独学で習得したという。
現在はJAXAでの研究経験もある上野宗孝特命教授(理学研究科)の指導を受け、卒業後は米国の大学院への進学も検討中。松本さんの衛星を打ち上げる構想もある。「宇宙に関わる仕事がしたい。米国で学んだことを日本に還元できれば」と話した。
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