昨春、私は個性の強い2人の先輩と出会った。
「選挙はアトラクションだから」。浮かれた声でにぎわう昨年7月の七夕祭。ラジオの選挙速報を聴きながら目を輝かせる。周りのカップルたちに目もくれず、参院選特番を視聴するため家路を急ぐ先輩の後ろ姿に驚嘆した。
「けんか売りてえな」。ミーティング中、落ち着いた顔をしてぼそっと過激なことを言う。斜に構えた姿勢は見習いたくない。
しかし取材相手を前にしたとき、普段は毒ばかり吐く先輩たちの目が真剣になる。相手から価値ある話を聞き出す手掛かりを示してくれる。
新聞が好きなわけではなかった。報道に興味があるわけでもなかった。新歓祭に行ったことをきっかけに、気付いたらこの場所にいて、先輩らの背中を見ていた。
出会いから1年が経った。私にももうすぐ後輩ができる。2人の先輩のように、大きな背中を後輩に見せることができるだろうか。
初対面の相手に話を聞くのは楽しいことばかりでなく、辛いことや難しいこともある。しかし自分の記事を読んだ人から反応をもらえる喜びは大きい。
新入生にとっては長い受験勉強から解放され、新生活に胸躍る春。大学ではきっと多くの出会いが待っている。新たに「報道」に出会ってみるのもいいかもしれない。
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