【7月号掲載】都賀川BBQ 大学が禁止 近隣住民の苦情増え

 神戸大学生支援課は灘区の都賀川河川敷でのバーベキューを禁止した。3月末、文化総部や体育会などの学内の各団連や団体代表者宛てにメールで通達。以前から自粛を呼び掛けていたが、ゴミの散乱による悪臭や騒音への近隣住民の苦情が増え、禁止に踏み切った。しかし学生の認知度は低く、4月にバーベキューをした団体に支援課が個別に注意もしている。

「自粛」では限界

 支援課の山本幸夫さんは「都賀川以外でのバーベキューまで禁止しているのではない」とした上で、ごみを持ち帰らなかったり、川沿いの遊歩道の通行の妨げになったりする学生への苦情が近年特に増えたと指摘。「自粛」という言葉では学生の意識は改善されないと判断し、禁止を決めた。

 自粛を呼び掛け始めたのはバーベキューが原因で弓道場でぼや騒ぎがあった2014年ごろ。それ以前はバーベキュー用具の貸し出しもしていた。さらに08年に都賀川で起きた、集中豪雨による川の水位上昇で子どもら5人が死亡した事故を受け、灘警察署と神戸土木事務所からバーベキューの自粛を呼び掛けるよう要請もあった。

 都賀川の清掃活動などに取り組む「都賀川を守ろう会」の会長、岡本博文さんはバーベキュー後のごみの放置を特に危惧している。「市の条例などでバーベキューは禁止されていないが、ごみの放置は別問題。不法投棄で警察沙汰に発展しかねないので注意してほしい」と話す。地域住民ら会員で、川沿いのパトロールにも取り組んでいる。

禁止 周知難しく

 公認団体には通達で注意できるが、バーベキューをするのが非公認団体の場合も多い。山本さんは「非公認団体には通知できない上、日程を特定することも難しい」と話す。

 例年4月に新歓目的のバーベキューを都賀川で行っている、ある学内サークルは今年の開催後、大学からメールで注意を受けた。所属する男子学生は、「大学が禁止していると知らなかった。自分たちはごみを持ち帰り、通行の邪魔にもなっていなかった」と話す。来年以降は開催場所を変えるつもりだという。

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