【1月号掲載】砂原教授に大佛論壇賞 地方政治見直し主張

 法学研究科の砂原庸介教授(政治学)の著作「分裂と統合の日本政治――統治機構改革と政党システムの変容」が第17回大佛(おさらぎ)次郎論壇賞に決まった。

 大佛次郎論壇賞は朝日新聞社が主催する、政治や経済、国際関係などを扱う優れた論考に贈られる賞。

 衆院選への比例代表並立制の導入をはじめ、二大政党制の政治を目指し1990年代に統治機構が改革された。2009年の衆院選で民主党が政権を握るが、12年には自民党政権に戻り、自民一強が続いている。地方政治に注目し、野党が力を持てない原因を探る。

 自民一強の原因である野党の乱立を、地方の政治制度の維持と地方分権改革が国政レベルの政党の統合を弱めたからと理由付ける。与党と野党が対等に政治をしていくには、地方政治の見直しが必要と主張する。

 砂原教授は「研究者だけでなく、メディア関係者や実際に政治で活躍する人を読者と考え執筆した。受賞を機に、読者と考える人に本が届く可能性が開かれたのがうれしい」と話した。

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