【7月号掲載】酒から神戸学ぶ 日本酒学が開講

 国際教養教育院は灘五郷酒造組合と提携し、第3クオーターの総合教養科目として「日本酒学入門」を開講する。各回に日本酒に詳しい学外の講師を招くオムニバス形式で、日本酒に関して多面的、総合的に学ぶ。授業外で酒蔵見学も予定している。

 第1回の講義では酒類製造業会社、沢の鶴(神戸市灘区)の西向賞雄(にしむかいたかお)取締役を講師として招き、日本酒の歴史と文化を知る。酒蔵の経営方法や日本酒の関連法律、海外への日本酒の情報発信、日本酒の製造方法など、テーマは幅広い。希望者は白鶴酒造(神戸市東灘区)の酒蔵見学へ行くこともできる。定員は60人で、講義内で申し込みを受け付ける。工場や資料館の見学、日本酒に関する簡単な講義を酒蔵で行う。

 新潟大は新潟県酒造組合と協定を結び「日本酒学」を開講している。「日本酒学をうちでもやれないか」と灘五郷酒造組合が声を上げ、白鶴酒造が神戸大に話を持ち掛けた。今年度を1回目とし、毎年度第3クオーターに開講する予定。

 日本酒学以外にも、白鶴酒造と共同で純米酒「神のまにまに」を開発し、生協などで販売している。白鶴酒造が独自開発した酒米品種「白鶴錦」と、農学研究科付属食資源教育研究センターが栽培した米「きぬむすめ」を使用。農学部と農学研究科の学生が商品名とラベルデザインを考えた。

 神戸の特色を学ぶ「神戸学」の一環。講義を担当する、大学教育研究推進室の米谷淳(まいやきよし)教授は「せっかく神戸大で学ぶのだから、神戸の代表酒ともいえる『灘の生一本』を知ってほしい。日本を代表する日本酒メーカーが伝統を受け継ぎ発展させながら、絶えずイノベーションしていることを学んでほしい」と話した。

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