【震災特集2019】参加者それぞれの思い  東遊園地1・17のつどい

 阪神・淡路大震災から24年を迎えた17日、「1・17のつどい」が開かれた。震災犠牲者を追悼する行事の一つ。今年は「1995 つなぐ 1・17」の文字が竹灯籠やペットボトルでできた灯籠で作られた。

 来場者は早朝から灯籠に火を付け始め、地震が発生した午前5時46分、黙とうの合図で祈りをささげた。黙とうの間、場内は沈黙に包まれ、ジリジリとろうが燃える音が響いた。地震発生時刻から1時間以上経っても、ろうそくが燃え尽きて火が消えた灯籠に来場者は何度も火をともし続けた。

 神戸大生の福島悠さんは大学の友人と参加した。神戸で生まれ育ったが、今まで訪れたことはなかった。「思ったより多くの人が参加していて驚いた。多くの人が関心を寄せているとともに影響を与えた出来事なのだと改めて実感した」と感想を述べる。「これからも他の学生を巻き込んで参加したい」と意気込んだ。

 東灘区から訪れた青木翔佑(しょう)さんは舞子高校環境防災科の1年。以前から震災や防災に興味があったが、震災経験もなく、身近に被害に遭った人もいない自分が参加してもいいのか迷っていたという。高校で防災について学んだことをきっかけに、来場を決めた。「『震災を忘れない』という思いが伝わってきた。来年も参加したい」と話した。

 震災で友人を失くした谷真希江さんは「友人が亡くなり、自分が生き残ったことに対する呵責(かしゃく)で来ている」と話す。亡くなった友人に「私、頑張るからね」と伝えに来た。「震災の記憶の風化を感じる。今後も伝えていきたい」。「震災を知らない人も経験者から話を聞き、互いに助け合えるようになれば」と語った。

【上田真友子、田中穂乃香、中山晃大、山本瑞稀】

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