神戸大卒のシンガーソングライター・石田裕之さんの音楽ユニットBloom Works(ブルームワークス)が4月6日(土)、神戸市中央区のみなとのもり公園で防災音楽フェス「BGMスクエア」を開催。初夏を思わせる日差しのもと、宮城や熊本で活躍するアーティストらによる音楽ステージや、神戸や広島の学生らのブースに、のべ2000人の学生や家族連れが訪れて賑わった。
(2019年4月6日16時 神戸市中央区小野浜町で)
ブルームワークスは、神戸大卒のシンガーソングライターの石田裕之さん(38、2003年法卒)と、ボイスパーカッショニストのKAZZこと桝田和宏さん(46)が2017年に結成した音楽ユニット。阪神淡路大震災を体験した桝田さんが兵庫県立大の大学院「減災復興政策研究科」に入学し、教官の紹介で防災士の資格を持つ石田さんと出会った。
長田で生まれ育った桝田さんは、当時、郷里が焼け落ちるのを目の当たりにした。その後、ボランティアで被災地の音楽ステージを続けた。
阪神大震災のとき中学生だった石田さんは、「やり残したことがある」という思いから、東日本大震災の被災地、宮城県石巻市などで音楽ボランティアを続けてきた。
震災を知らない世代が増える中、災害の辛さや、非常時の知恵を音楽を通じて語り継ぐことで2人は意気投合。ユニットを結成した。
2人の「防災をテーマにした音楽フェスをやりたい」という思いが伝わり、兵庫県立大や神戸学院大の学生らが実行委員会を結成して、この日夢が実現した。
ステージには、九州や東北の被災地からもアーティストが駆けつけ、熊本市のシンガー・ソングライター進藤久明さんや、宮城県で活躍する幹mikiさんの歌声が、公園の周囲のビル街にこだました。
フィナーレでブルームワークスが登場すると、観客の手拍子で会場は最高潮に。災害伝言ダイヤルを詠み込んだ歌「171」や、被災を知らせる腕笛を使った「レジリエンス」などを熱唱した。
会場では、15のテントブースが設けられ、高校生や主婦グループが防災グッズを販売したり、防災ワークショップを開いたりした。
また、200個の風船を、南海トラフ巨大地震で想定される最大の津波の高さと想定される34メートルまで飛ばし、津波の恐ろしさを想像したり、公園内に60カ所設置されているマンホールトイレのふたを開ける体験も行われた。
桝田さんは、9月にはフォーラムを、来年には第2回の開催を決めたと公表。石田さんは、「フェスが実現したのも、賛同してくれたアーティストやボランティアのおかげ。防災の知識を身につけた仲間が、このフェスを通じてどんどん増えていってほしい」と来場者に呼びかけていた。
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