◎豪雨被災地 真備町で活動  救援隊報告会

 地震や豪雨災害の被災地などで支援活動を行っているボランティアサークル「学生震災救援隊」は4日、昨年度行った支援活動の報告会を鶴甲第1キャンパスのラーニングコモンズで開いた。救援隊の部員13人と新入生1人に加え、地域連携推進室の松下正和准教授も参加した。昨年7月の西日本豪雨で被害を受けた岡山県倉敷市真備町地区での支援活動と、東日本大震災の被災地、宮城県山元町での支援活動を報告した。

 救援隊は1995年、阪神・淡路大震災を機に神戸の復興を目的として結成した学内のボランティアサークル。現在は神戸で復興住宅の入居者を対象にした「お茶会」、復興祭の運営、識字教室での学習支援、チンドン屋に扮して町のにぎやかし、野宿者支援などの活動や、災害が起こるごとに被災地で支援活動をしている。

 真備町での支援活動について、3月18日に実施した派遣での活動を報告した。昨年8月と9月にも真備町で支援活動を行っていて、真備町を訪れるのは3回目。土砂や水に漬かり、汚れた写真を洗浄するボランティア活動をした。県内外から集まったボランティアや被災者自身も参加していたという。報告した近藤功貴さん(理・3年)は「(写真を)洗うことを被災者自身がどう思うかわからない。直接相手が見えないボランティアだからこそ難しさを感じた」と話し、「今までしたことがない活動だったので、救援隊の活動を幅を広げることにもつながったのでは」と振り返った。

 宮城県山元町への派遣は3月22日~25日の4日間行った。ボランティア活動に加え、津波で児童74人、教職員10人が犠牲になった大川小学校跡地や、山元町内の施設を見学。震災を伝承する団体の報告活動や伝承方法について議論をする伝承シンポジウムにも参加した。

 24日には災害公営住宅の桜塚住宅を訪れ、集会所で足湯ボランティアとお茶会を開いた。報告者の1人、冨士原健斗さん(工・3年)は「普段の活動で交流している神戸の復興住宅の入居者に(桜塚住宅の住民へ)メッセージを書いてもらった。間接的ではあるが、つながりを作れたのでは」と語る。山元町へは8月に桜塚住宅で開かれる祭りに合わせて訪れる予定だという。

 報告会に参加した新入生の小路谷泰樹(しょうじや・たいじゅ)さん(文・1年)は「北海道出身で、台風などの影響を受けたことがなかった。復興のボランティア活動は本当は終わることが望ましいと思う。どのようにしていくべきか考えさせられた」と感想を述べた。

 松下准教授は授業を通して部員と知り合い、今回初めて報告会に参加した。「被災地で支援活動をしていることは日常に返ってくる。災害現場で見聞きする課題は、日常に隠れている問題点でもある。自信を持って今後も活動を続けていってほしい」と話した。


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