演劇部自由劇場は新入生歓迎公演「ダブリンの鐘つきカビ人間」を4月23日から28日まで、鶴甲第1キャンパスのシアター300で行った。歌や踊りを交えた多彩な演技で観客を楽しませた。
今作は旅行中、森で迷った男女2人がたどり着いた山小屋の場面から始まる。2人を受け入れた山小屋の主人は昔、奇妙な病が付近の街を襲った時のことを話し出す。話を聞いているうちに2人は物語の世界へ入っていく。
美しい心を持つが全身カビだらけの男、カビ人間をはじめ、思ったことと反対の言葉しか話せない娘おさえ、実年齢よりも年を取って見える姿になったジジイなどさまざまな奇病を持つキャラクターが登場。奇病を街からなくすための動きの中で、街には希望がもたらされる一方、主人公カビ人間とおさえは悲劇的な運命をたどる。
演出を務め、劇中では神父を演じた山下瑛司さん(国人・3年)は世界観を確立させることにこだわったという。「(今作は)現在と回想の2つの軸で構成されている。それぞれを全く別のものにしたかった。めりはりを意識した」と話す。「本筋だけでなく、笑いのポイントが多くある。少しでも笑ってもらえれば」と見どころを語った。
役作りに関して、おさえを演じた丸目怜奈さん(甲南女子大・3年)は「(おさえは)思っていることと逆のことを喋ってしまう。言葉に感情が引っ張られないようにするのが大変だった」と振り返った。またカビ人間を演じた布目慶太さん(文・2年)は「カビ人間は市民から虐げられている。しかしどれだけ虐げられていても、明るい人物であり続けなければいけない」とこだわりを話した。
自由劇場は創部から40年以上の歴史を持つ学生劇団。さまざまなジャンルの演劇を上演している。次回公演は7月の予定。
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