神戸大学自由劇場が9月21日から2日間、新人公演『スロウハイツの神様』を鶴甲第1キャンパス「シアター300」で4公演行った。今年度自由劇場に入部した16人の部員を中心に夏休み前から長い期間をかけて作りこまれた2時間にも及ぶ舞台に観客は引き込まれていた。<渡邊志保>
(写真:新人たちがのびのびとした演技を見せた『スロウハイツの神様』=自由劇場提供)
演目は作家辻村深月・原作、成井豊・原作、壱大夫・演出の『スロウハイツの神様』。
作家・チヨダの小説が引き金となった殺人事件から10年。彼のファンで脚本家の赤羽環がオーナーの「スロウハイツ」ではチヨダたち男女5人が夢を追いかけ共同生活を送っていた。しかし、新たな住人の登場でハイツに不穏な空気が流れはじめる、というミステリアスな現代劇。
登場人物が多く、過去を回想するシーンなど場面展開は複雑だったが、部員の演劇ははそれを感じさせず、ステージをいっぱいに使い、のびのびとした演技を見せた。
クライマックスに近づくにつれ涙をすする観客も。部員たちの熱量も十分に伝わっていた。
主人公・赤羽環の妹役を演じた河野英恵(国人・1年)さんは、9月22日の千秋楽を終えて「演技経験がゼロだったのではじめは不安だったが、約1か月半練習に取り組んで一つの舞台を完成させることができてとても感動している。1年生の仲間と2年生の先輩に支えられながら、かけがえのない思い出をたくさん作ることができた新人公演だった」と振り返った。
観客の神戸大1年生女子は「普段の大学生活での部員たちとは全然違う姿が見られてとても面白かった。次回公演も観たい。」と話す。
神戸大学自由劇場の次回公演は12月中旬の秋冬公演の予定。
了
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