優勝は「Team 5Green」 ハルトプライズ神戸大大会

 学生による世界規模のビジネスコンテスト、「Hult Prize(ハルトプライズ)」の神戸大学大会が12月14日、百年記念館で開催された。出場チームは環境問題を解決するための新しいビジネスをプレゼンし、アイデアを競った。優勝チームはレストランと消費者を繋げるプラットフォームを考案した「Team 5Green」で、2020年3月に開催されるリージョナル大会に神戸大代表として進出する。<長谷川雅也、前田万亜矢>


(写真:ビジネスアイデアをプレゼンする学生チーム。2019年12月14日14時、神戸大百年記念館で)
 
世界最大規模のビジコン

ハルトプライズとは世界最大規模のビジネスコンテストで、社会問題を解決するためのビジネスを学生が考案し、プレゼンを通してアイデアを競い合い優勝チームを決める。神戸大学大会はキャンパス大会にあたり、その後三回ある大会の全てを勝ち抜いたチームには資金として1億円が与えられ、実際にビジネスアイデアを実現することができる。神戸大学大会は今年で3回目の開催。

学生によるプレゼン キーワードはSDGs

 12月14日、神戸大学百年記念館で開催された大会には全8チームが出場し、持ち時間6分のプレゼンでアイデアを競い合った。
プレゼンのテーマは「環境問題を解決するためのビジネス」。各チームはフードロスや海洋汚染などの解決を目指すソーシャルビジネスを提案した。

プレゼンのなかでキーワードとなったのは「SDGs(持続可能な開発目標)」。
SDGsとは国連で採択された持続可能な社会に向けての目標で、近年これに取り組んだビジネスが盛んになっている。今回の大会でも各チームが様々な角度からSDGsを達成するためのビジネスを考案した。

子どもが食事を楽しめるアプリを提案した「Team OMSUBI」はビジネスを通して飢餓や気候変動の対策をすることを訴えた。ただ、このビジネスを考えるのには苦労したという。Team OMSUBIの土井仁吾さん(営・3年)と足立理子さん(工・3年)によると、「チーム内でビジネス内容の共通認識を固めるために1か月間、ほぼ毎日ミーティングをした。アプリの内容や、どうすれば伝わるプレゼンができるか、ずっと考えていて、プレゼンでは見せ方を意識した。」とのこと。実際のプレゼンでも製品のサンプルを掲げるなど、工夫を凝らした。


(写真:製品サンプルの掲示やジェスチャーを多用することでプレゼンを工夫した。Team OMSUBIの土井仁吾さん)

優勝はTeam 5Green

8チームのプレゼンの後、プレゼンターと審査員によるディスカッションタイムが設けられた。
審査員は株式会社レセオ代表取締役の山本晋也さんや、株式会社フランク代表取締役の速水大河さんなど、神戸大出身の起業家。自らの起業経験をもとにしたハイレベルな審査が行われた。
学生のプレゼンについて審査員からは「社会貢献性は高いが、収益を得るのは難しいのでは」といった、社会貢献とビジネスの両立の難しさを指摘する意見も出された。

 厳しい審査を通過して優勝を勝ち取ったのは、レストランと消費者をつなぐプラットフォームを提案した「Team 5Green」。企業(レストラン)の集客、消費者の満足、環境問題の解決という“三方良し”のビジネスを提案し、見事優勝に輝いた。


(写真:優勝発表の瞬間)

Team 5Greenは留学生3人と日本人学生1人から構成されたチーム。チーム唯一の日本人である田中莉乃さん(国人・1年)は「留学生たちと一緒にプレゼンを作って、言語の違いはあったけど賞を取れた。ハルトプライズに参加するか迷ってたけどやってみてよかったです」と、感激の様子。留学生のDeniseさんは、「I can‘t believe it! Thank you.」と笑顔で答えた。
Team 5Greenは来年3月に開催されるリージョナル大会に進出する。次の大会までの3か月で、ビジネスの内容やプレゼンのブラッシュアップをしたいと意気込んでいた。


(写真:優勝の喜びを述べるTeam 5Greenの4人)

「英語でプレゼンなんてすごい」

来場者も学生のプレゼンを感心していた様子だった。「プレゼンターがすごいなと思った。英語でプレゼンすることもだし、チャレンジ精神があるなと思った。内容も、世界を舞台にしているということで、いろいろ調べたことが伝わってきた」という、岡山大生の西本光輝さん(済・3年)は、「印象に残っているのはTeam crecentの殺処分される犬に焦点を当て、犬を飼えなくなった人と犬を引き取ることができる人をつなぐプラットフォームを作るというアイデア。なるほどと思った」と感心のコメント。
娘さんのプレゼンを見に来たという橘木澄美さんは「英語が流暢でした。以前娘が帰省したときにハルトプライズのことを熱心に話していて、それで今日は来てみました。こういう大学生の考えが伝わるイベントはいいと思うし、もっとこういう機会をつくって欲しい」と感心した様子だった。
 
神戸大大会リーダーの森原佳歩さん(国文・4年)は「みんなに支えられてやってこれた。協賛企業をこんなに多く呼んだのは今年が初めてで大変だったけど、楽しかったです」と、大会をやりとげたことにほっとした様子だった。


(写真:大会終了後は審査員、来場者も交えて記念撮影。和やかなムードで大会は閉幕した)

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