新型コロナウイルスの流行のため、新歓期に対面での活動ができない状態が続いている。メディア研のアンケート調査で、大型連休明けの時点で新入生の約65%がサークルをまだ決めていないこと、約9割の神戸大のサークル・部活では昨年より新入生の獲得状況が厳しいことがわかった。今年の新歓の困難さが浮き彫りになった。
新入生 約6割が「まだ決めてない」
新入生へのアンケートは、5月10日から5月17日の7日間、Twitterの投票機能を使って実施した。
回答総数は737票(1アカウント1票)。「あなたはどのサークル・部活に入るか決めましたか?」との設問に対し、64.7%が「まだ決めていない」と答えた。次いで22.3%が「仮入部のような形で見ているところがある」と答えた。「正式入部したところがある」が7.7%、「どこにも入らないつもり」が5.3%だった。
【神戸大新入生のみなさんへ】あなたはどのサークル・部活に入るか決めましたか?#神戸大学 #神戸大 #神大 #春から神戸大学 #春から神戸大 #春から神大
? 神大PORTAL +サークル情報??2020 (@oroshi6565) May 10, 2020
課外団体の6割「新入生いない」
また、部活動・サークルの新歓担当者を対象に、TwitterのDMを通じて新歓状況についてアンケートを実施した。5月18日12時までに125件の回答があった。
「正式入部した新入生はいますか?」との問いに対し、60.9%の団体が「いない」と回答した。「仮入部などの形でキープしている」団体が16.4%、「いる」団体が22.7%だった。
今年の新歓状況について、88.8%の団体が「去年より新入生獲得状況は厳しい」と回答した。「去年と変わらない」との回答が小規模な団体を中心に8.8%あり、「去年より獲得状況は良好だ」が2.4%だった。
「直接会えない」「部員のモチベーション維持も大変」
今年の新歓でやりにくい点としては、「直接新入生と会えない」(117団体)、「体験会に誘えない」(86団体)、「ご飯会ができない」(84団体)などが多かった。「直接見てもらわないと良さが伝わらない」(運動系・部活)、「直接対面しての活動が中心のサークルなので、そもそもサークル活動が行えない」(文化系・サークル)、「現役部員のモチベーション維持も大変」(文化系・部活)などの声も上がった。
SNSをフル活用 様々な新歓の取り組み
今春の新歓で行なっている去年までと違うアイデアの勧誘については、多くの回答が得られた。特に多かったのがオンライン新歓関連で、Zoom新歓やSNSの活用をほとんどの団体が挙げていた。様々な新歓アイデアが寄せられた。一部を取り上げて紹介する。
「Zoomを用いた新歓を多数開催している。また、例年使用しているインスタグラムやTwitterに加え、YouTubeやTikTokなども新たに導入し宣伝の幅を広げている」(運動系・部活)
「部員紹介、イベント紹介などをして部活の雰囲気が伝わるようにしています。zoomを利用して、実際に新入生とお話をする企画も考えています」(運動系・部活)
「仮入部の存在を認め、入部への敷居を低くして新歓に来てくれた新入生を繋ぎ止めるようにしています」(運動系・部活)
「新入生が知りたいことを伝えられるようなオンライン新歓にすること、誰でも参加しやすいようにオンライン新歓についてのアンケートをとったこと」(運動系・サークル)
「5サークルでの合同新歓」(運動系・サークル)
「(団体名)には様々な学部の先輩がいます!それを活かして、学部の先輩や友達と仲良くなろう!という新歓を企画中です!また、オンラインピクニックといった、本来あるはずだった行事をオンラインでやっちゃおう!という新歓イベントもあります!」(文化系・部活)
「SNSを用いて、様々なコンテンツを発信しています。新入生希望の曲をアカペラ楽譜にして多重録音したものを流したり、学部学科の情報が受け取れるようにオーブンチャットを作ったり、、、、新入生が知りたい情報をアンケート取るなどして、日々新しいことに挑戦しています」(文化系・サークル)
「オンラインでの活動を行っています。また、Twitterでの呼び掛けやサークル情報紹介ツイートを増やし、DMでも声をかけています。公式LINEも作りました」(文化系・サークル)
「SNSをフル活用している。LINEのオープンチャットを作って興味ある子を招待していってる」(文化系・サークル)
「質問箱の設置、学生自由参加型のオンラインイベントの開催」(文化系・サークル)
「今年は0すらも覚悟」新歓担当者の思いは
今年の新歓をめぐっては、多くの団体が困難に直面していることが浮き彫りになった。「例年通りの新入生を集められるか不安。いつの時期まで新歓をすべきか悩んでいる」(文化系・部活)、「競技の性質上、初心者の方も新入生の方も実際に様子を見せられなければ入部を決めてくれることはまずないかと思われます。例年通りでも獲得できる新入部員が少ないため、今年は0すらも覚悟しています」(運動系・部活)、「新入生の反応がみえないので、つかみどころなく新歓をしている感じです…」(運動系・部活)など、苦境が浮かぶコメントが多い。
一方では、「小規模団体のため例年であれば会の情報が新入生に届く前に新歓が終わってしまっていましたが、今年はSNSをよく見てくれていたため、たくさんの新入部員を迎えることができました」(文化系・サークル)と、逆境を逆手に取って成功した団体もあった。「秋に大掛かりな新歓祭をしてほしい」(運動系・サークル)など秋の新歓に期待を寄せる声も多くあった。「どうか、新入生には焦ってサークルや部活には入って欲しくない。4年間だけでなく一生を左右するものなので、しっかり直接見て、会って決めて欲しい」(運動系・部活)との先輩からのメッセージもあった。
「複数人が集まる活動は禁止」大学の方針は
神戸大は、3月4日以降、複数人が集合して行う活動の中止・延期を求める通告を出している。最新の4月28日に発表された通知では、?複数の部員が集合して行う活動の中止または延期、?大学の全ての課外活動施設(グラウンド、学生会館など)の使用禁止、を求めた。この措置の期限は第1クォーター末の6月25日。次回の通知は6月上旬としている。
キャンパス内への学生の立ち入り自体も禁止された。4月8日の緊急事態宣言を受けて、各学部はキャンパス内への学生立ち入り禁止を発表した。神戸大は4月30日に「新型コロナウイルス感染拡大防止のための活動制限指針」を発表し、当面キャンパス内全面立入禁止の「レベル4」を継続するとしている。
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【速報】課外活動の自粛期間、6月25日までに延長
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/155715fe59b886c69f6435dc5de66818
【速報】 神戸大、活動制限指針を制定 当面はキャンパス立入禁止
https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/2c4a0d90734ccf27ae3d66ae61a9139f
了
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